松平盟子

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口移されしぬるきワインがひたひたとわれを隈なく発光させる

白ワインはあるかなきかの薄みどりあるかなきかは幸福に似る

ロゼ・シャンパンさやさやさやと発泡す生まれる星と死ぬ星の音


　　　　　　　　　　　　　　　　　　松平　盟子

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◇初めてドンペリをいただく。

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泳ぎ来てプールサイドをつかまえたる輝く腕に思想などいらぬ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　松平　盟子

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◇今年初めて泳ぐ。

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夕立の簡潔の意思ながめおり混沌のわれのまなこ二つが

ようやくに飼いならしたる”悲と哀”が”火と愛”に音かようことあわれ

激痛がわれのこころに巣喰う日は黒水仙のしずかに揺れて

　　　　　　　　　　　　　　　　松平　盟子

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◇部屋の整理をしていたら「松平盟子」の歌集が数冊出てきた。
　こころが閉じているとことばが出てこなくなる。
　こころ開いてもこの美しい表現はできないけど、
　今日は盟子さんの言葉をかりて。