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映画のこと、本のこと、おもったこと。

ツィメルマン公演*2006

2006-06-12 00:04:41 | きく
2006.6.10(土)18:00開演
横浜みなとみらいホール

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番
ショパン:バラード第4番
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
バツェヴィチ:ピアノ・ソナタ第2番

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サントリーホール公演のチケットが取れなかったので、みなとみらいまで初遠征。

わたしは、前日に演目のCDを買い揃えてまさに一夜漬けで臨んでしまうような猫に小判そのものの観客ですが、ピアノの音のみで伝える、ということの表現の凄まじさ、を感じました。

演奏に観客の魂が吸い込まれていくような会場の張り詰めた空気。打たれて響く音と残りつつ消えつつ空気も心も震わせる音。同種の楽器で、同じ曲を大勢の演奏者が演じて、なお、自分が演奏する、自分だけが伝えられる演奏をする独自性を打ち出すことの魅力を堪能した日、でした。

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開演直前照明が落とされると、今のうちにしておかなきゃ!とばかりに会場内あちらこちらから咳きが聞こえます。それが咳が咳を呼んでいるような咳の連鎖。ピアノの音のみの演奏会。演奏中の咳は致し方ないとはいえ致命的だからでしょう、観客の方も準備万端で演奏に臨みたいという会場全体の期待が伝わってきました。でも、演奏中も後部座席から、かなり頻繁に良く通る咳がきこえてきてしまったのは悲しいやら、残念やらです。体調や体質によるものなので、本人も辛い思いをされているでしょうが、せめてマスクとかハンドタオルなどを用意してくれたら、咳の響きもだいぶ緩和されるのではないでしょうか。また、アンコールの演奏最中に帰り支度をされている方から、スーパーの手提げ袋の音が響き渡ったのにも驚きました。演奏以外の音が客席から出ても、めったに他の人の視線がその方に向くことはないのですが、さすがに周囲の視線が集中していました。