初鹿 史典の熟成を楽しむ!

【第315回】林業利回り

 前回からの続きです。

 林業が盛り上がらない一つに、林業利回りが赤字という背景があります。

 林業利回りとは、林業に投下した資本がどれくらいの利益をもたらすものかを表す指標ですが、
今はもうありません。それはなぜか?これまで辛うじてプラスで利回りが表記できたのですが、
とうとう算出数字がマイナスになってしまったからです^^;

 現在の日本林業のコスト内訳を見てみましょう!

 スギの場合、苗木は1本当たり約100円です、1ヘクタール当たり3000本で30万円。
それが50年後に成林し、1ヘクタール当たり1000本の森になります。

 3000本の苗を植え、間伐(まびき)をして最終的には1000本にまで減らします。
50年生の立木の1本の価格を約1000円とすると、1ヘクタール当たり100万円。
それが現在のわが国の平均的な山林所有者の手取りとなります。

 一方、その50年間、山への投資は欠かせません。苗木代30万円に加え、整地作業30万円、
植林20万円、下刈60万円、除伐20万円、路網や森林の管理40万円の合計約200万円が総投資額となります。

 金利は含まず投資額だけの単純合計です。これに対する伐採時の立木の販売収入が前述の100万円なのですから、林業離れが進んで当然ですよね?

 ただ、ある国は林業で大成功をしております。何が違うのでしょうか?

 続きは次回^^
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