半世紀を彷徨う

自分の心理状態や日々の出来事から趣味の事まで幅広く。

楽しい?精神科の入院生活

2016-07-09 17:33:06 | 日記
基本は携帯電話持ち込み禁止だから、今時テレホンカードを買って公衆電話でかける。
全部の病棟にあるわけではないから、閉鎖病棟に入れてもらったり、他の棟に行ってかける。

すると話をしている時に横から数字のボタンを押しに来るやつがいる。
売店に缶コーヒー買いに行くとよく出くわす。
ある日おれに「お名前は?」ちょっと、顔が近いんだけど!まあ教えたよ。
そしたら一回で覚えて、退院して1年後に売店に行った時おれの顔を見て、フルネームで答えた!

食事は食堂に行って食べる。食べ終わると食器を片付けるところまで患者がやる。
片付ける列に並んでいると、いつも同じおばちゃんが横入りしてくる。
「みんな並んでるよ?横から入ると子供がまねしちゃうからね。」
と諭すとああ、並んでるのといい列に並んでいく。

精神科は認知症の人も多いから。おじいちゃんが流しにしっこしようとしちゃったりする。

おれの向かいのベッドの人はほとんどしゃべらない。よくとなりの人のお菓子盗んだりしてた。
ある日その患者が看護師(男性)とろうかで話しているのが聞こえてきた。
この人夕方の水戸黄門の再放送が好きで、毎日見ていた。おれまで見るようになっちゃったよ。

だけどある日「僕もねえ、早く退院して就職して結婚して家族を持って、そうしなきゃいけないと思うんですよ。」
看護師さんは「う~ん、ちょっと難しいんじゃないかな~。仕事が無い時代だからね。若い人が就職できないくらいだし。」
そこでいたって真面目に「え?だっておれ○んぽの先まだ赤いよ?」
「いやちん○の先が赤いって・・・そんな基準で採用するところほとんど無いだろうし・・・」
そんな採用基準は無い!と言わない看護師さんもやさしいね。おれはベッドで笑い転げていたけど。

他にはじっとしていられず廊下をずっと往復する人や、屋内消火栓のボタンを押すやつとか、
ずっと叫び続ける人もいる。そういう人って話が通じないほどおかしいのかとおもうけど、
あー!って叫んでいる所へ看護師さんが行き、「~ちゃん、もうすぐご飯だよ、食べる?」というと、
たーべーるー!!と叫んでいた。全くおかしいわけでもなさそうだ。

入院している時は早く家に帰りたいと思うけど、入院するって言うのもつらいわけでもない。
おれみたいに普段ベッドで寝っぱなしだと散歩行ってこいと言われるけどね。
これもひとつの人生経験だ。心配することは何もない。

ばあちゃんが叫んだ!「この平八!」

2016-07-09 17:06:50 | 日記
母の実家が千葉県にあり、おれは長期連休がある度に遊びに行っていた。
ある日ばあちゃんが段ボール箱から何かを探している時に、中から飛び出した黒いヤツ。
そう、「G」だ。ばあちゃんは素手で払いのけ、「かー!この平八が!!」

何より出てきたGに動揺していたおれは、ばあちゃんが素手で払いのけた事に驚いた。
冷静になってきて初めて、「Gの事を平八って言うの?」と聞いたらそうだという。
そのばあちゃんももう亡くなってしまったので、なぜだろうと疑問に思っても聞けない。

しかし大した事では無いので忘れてしまっていたが、先日40年経っていきなり思い出した。
ネットで検索するとあっさり見つかった。諸説あるんだろうが、それらしいのを見つけた。

徳川家康の臣下の四天王の一人に、本多平八郎忠勝って人が実在し、
何度戦に出ても傷一つ負わずに帰ってくる。つまり殺そうと思っても殺せない。
しぶとい。そこからGが「平八」と言われるようになったらしいと。なんと不名誉な、理不尽なネーミングだ。

その呼び名を使用する地域もおおよそ神奈川県、千葉県の一部であるそうだ。

じいちゃんの方はいきなり「やあべ。」とおれ、一つ下のいとこへ告げると出かける準備をしている。
何回聞いてもやあべとしか言わないので、ばあちゃんに聞いてみた。
意味は「行こう」「出かけよう」という意味だとか。

そういう特殊な方言は、最近の人に語り継がれる事もなく、だんだん薄まって行きいずれみんな標準語に?
そこまで行かないと思うけど、無くなって行っちゃうのは寂しいもんだ。
おれは平八が出ないようにあちこちに仕掛けてあるよ。

そう言えば墓参り行ってないな。