潜水艦のスクリュー音はそれぞれに特徴があり、あらかじめその特徴を把握していれば、どこの国のどのような型の潜水艦が航行しているのかを特定する決め手となる。警察官が犯人を追い詰めるため指紋を重視しているのと同じように、自衛隊は各国潜水艦の「音紋」をデータベース化している、音響測定艦はこの音紋を収集している。空から潜水艦の動きを監視する哨戒機や、海中に潜む潜水艦が相手方潜水艦のスクリュー音を探知し、集積されたデータをもとに船の身元を特定する、自衛隊が平成3年と4年に「ひびき」と「はりま」を相次いで就役させた背景には、冷戦時代末期にソ連が技術開発を進め、潜水艦が発する音が静かになったことがある。潜水艦の最大の強みは、敵に気づかれず攻撃を加える能力。ソ連潜水艦の位置を正確に把握することが、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)などの無力化につながる、 有事の際、西太平洋における米軍の行動の自由を奪うことを目標とした中国の「接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略」の中で、潜水艦は中核的な役割を果たす。それだけに、中国にとって日米の音響測定艦の存在は天敵ともいえる。
読売新聞 (杉本康士)
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中谷元・防衛相は3日午前、北朝鮮が発射した弾道ミサイルについて、秋田県男鹿半島沖約250キロの排他的経済水域(EEZ)内に落下したと発表した。平成10年に中距離弾道ミサイル「テポドン1号」の一部が三陸沖太平洋上に落下した例はあるが、核を搭載できる弾頭部分がEEZ内に落下したのは今回が初めて、防衛省によると、北朝鮮が発射したのは中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程1300キロ)とみられ、発射時間は午前7時53分ごろ。約1000キロ飛び、日本海上への落下時間は8時5分ごろとみられる。船舶や航空機の被害は確認されていないという