中国軍の得意手は「孫子の兵法」にいう欺瞞(ぎまん)戦である。敵が強いときは戦いを避け、敵の備えのないところを攻め、敵の不意を突くことを最善と考えている。これを兵法とはいえ、一言でいえば武人にあるまじき卑怯(ひきょう)な戦術なのである
最大で計15隻が領海外側の接続水域を航行し、断続的に領海に侵入した。2012年9月に日本政府が尖閣諸島を国有化して以降、接続水域を同時に航行した中国公船は最大12隻だから、それを上回る威嚇行動である。しかも、周辺には200~300隻の中国漁船を従え、中には軍で訓練を受けた海上民兵が乗り組んだ漁船もあるようだ、8月上旬はちょうど、習近平指導部が党長老と重要議題を協議する「北戴河会議」の開催時期にあたる。指導部は求心力を確保するため、このタイミングに軍、海警局を使って挑発を狙った可能性がある。リオ五輪に合わせれば、国際社会が振り向かないうちに、日本だけに揺さぶりをかけることができる
領有権を主張したいのなら国際司法裁判所や仲裁裁判所で正々堂々と論戦すればよさそうなものだが、負け戦はしない。この7月12日にハーグの仲裁裁判所が、南シナ海全域を勢力範囲とする中国の「九段線」を、「法的根拠なし」とクロ裁定を下したことで分かる、国連安保理常任理事国という特別な地位を与えられた巨大国が、フィリピンという小国に敗訴したのだから、これほどの屈辱はない。堂々と戦えないから、裁定にも「ただの紙くずだ」と言い捨てるしかなかったのか。とはいえ、南シナ海の「九段線」上空に、独自の防空識別圏を設定したり、フィリピンに近いスカボロー礁で人工島の造成を始めたりすれば、米中対立が先鋭化する。すでに、人工島造成の動きを見せた中国に、米国はひそかに警告のうえ、太平洋軍がA-10攻撃機をフィリピンの基地に移動させた。中国があわてて後退したのはいうまでもない。
産経新聞 湯浅博
南シナ海に関する自らの主張を全面否定したオランダ・ハーグの仲裁裁判所の裁定は「紙くず」に過ぎないという態度を取る中国が、海洋進出に向けた新たな武器を獲得した。自主開発した水陸両用飛行艇AG600がそれだ。AG600を人工島に配備すれば、中国は南シナ海全域を簡単に制圧できる。映像では、その機体は海上自衛隊の飛行艇US2にそっくりにみえるが、中国国内では「この分野でも世界をリードしてきた日本を追い抜く」との声が出ている、中国からの報道などを総合すると、中国国営企業の中国航空工業集団は7月23日、広東省の珠海市でAG600を公開した。7年かけて開発したAG600は陸上と水面から発着できる水陸両用飛行艇で、機体のサイズは全長37メートル、翼幅39メートルと小型ジェット機のボーイング737とほぼ同じだ。しかし、水陸両用飛行艇としては世界最大となった、最大離陸重量は53トンで、航続距離は4500キロ。最大12時間の飛行が可能で、最高速度は時速500キロに達し、波の高さが2メートルの条件下でも着水が可能だ。南シナ海をにらむ海南島から飛べば、その全域で任務を遂行することができる、 海上自衛隊が保有・運用するUS2は全長33メートル、最大離陸重量47・7トン、航続距離は4500キロ。最大の特徴は3メートルの高波でも着水が可能で、短距離での発着もできる。水陸両用飛行艇としてはカナダ・ボンバルディア社のCL415(双発プロペラ)、ロシア・ベリエフ社のBe200(双発ジェット)があるが、着水可能な波の高さがそれぞれ1・8メートル、1・2メートルに過ぎず、US2の能力の高さが分かる。 一方、日の丸飛行艇US2の性能は世界各国から注目を集めており、事実上の武器輸出解禁に踏み切った日本政府はUS2の売り込みを行っている。2015年5月に日本で戦後初めて開かれた国際防衛見本市では、横浜市の会場に置かれたUS2の模型が来場者を出迎えた。 売り込み先としてもっとも有力視されているのがインドだ。インドは国境紛争を抱え、海上交通路確保を名目にパキスタンやスリランカなどインド洋周辺諸国との連携を深める「真珠の首飾り戦略」を進める中国の脅威に直面しており、日本とインドの軍事協力強化は必然的な流れといってもいい。2016年3月にインドの南部ゴア州パナジ近郊で開かれた防衛展示会には新明和工業も参加。インドのパリカル国防相が新明和工業のブースを訪れた。また、同じ年の6月にシンガポールでパリカ氏と会談した中谷元・防衛相はUS2の輸出交渉を続けることで一致した。
中国公船 の増強
下図に示すとおり、平成 24 年における 1000 トン以上の大型中国公船 の 勢力は 40 隻であったが、 3年後の平成 27 年には、その 3倍の 120 隻を保 有するに至など 著しい体制強化が確認されてる。また、各種公開情報 によれば、今後平成 31 年までに 135 隻まで増強することが見込れてい る。
(問い合わせ先)
内閣官房副長補室 小寺 次郎 /大戸 貴之
TEL :03 -3581-0208
海上保安庁総務部政課 政策評価広報室
海上保安報道官 大達 弘明
TE L:03 -3591-9780
外務省 アジ大洋州局 中国・モンゴル第一課 首席事務官 石飛 節
TEL :03 -5501-8000 内線: 2424
中国政府 への主な抗議
◆中国公船の尖閣諸島領海侵入や同域で活動は我が主権害あり 、断固として 認められない。
<主な抗議 <主な抗議 の例 >
8月5日(金)
【中国 公船による領海侵入】
15:05頃/ 16:30 頃 アジ大洋州局参事官 → 在京大公使参事官
17:10頃 杉山外務 次官 → 程永華駐日大使 17:30 頃 伊藤在中国大次席公使 → 欧陽玉靖・外交部辺境海洋事務司長
8月6日(土)
【周辺海域に新た複数の公船確認】
11:45 11:45頃 金杉アジ大洋州局長→ 郭燕・在京大公使
13:15 13:15頃 横井駐中国大使→ 孔鉉佑 18:00 18:00頃 伊藤次席→ 欧陽玉靖・外交部辺境海洋事務司長
18:15 18:15頃 金杉アジ大洋州局長→ 郭燕・在京大公使
8月7日()
【周辺海域に新た複数の公船確認】
08:29頃 金杉アジ大洋州局長→ 郭燕・在京大公使
10:15頃 伊藤次席→ 欧陽玉靖・外交部辺境海洋事務司長
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尖閣諸島周辺海域 における 中国公船 及び中国漁船の 活動 状況 について
平成 28 年8月9日
事案の概要
(1 )平成 28 年8月5日午後 1時 30 分頃、 中国漁船 に続いて、公中国漁船 に続いて、公(中国 政府に所属する船舶) 1隻が 尖閣諸島周辺 領海に侵入 した 。その後、 8日午 後6 時までに、 最大 15 隻の中国公船が 同時に 接続水域に入、 延べ 17 隻 が領海に 侵入 した 。
約 200 ~300 隻の漁船が 尖閣諸島周辺の接続水域 で操業するなか、最大 15 隻という多数の中国公船も同じ海域に集結し、 中国 漁船に続いて 領海侵 入を繰り返すといった事象が確認されのは 今回が 初めてである。
なお、 尖閣諸島周辺の接続水域に通常展開している中国公船(3隻 程 度)及び南シナ海のスカボロー礁周辺に通常展開している中国公船(4~ 5隻 と言われる )に比しても、現在尖閣諸島周辺は 、はるかに多くの中 国公船が展開している。
(2 )中国公船 及び漁による領海侵入等の 状況は下図のとおり。
(平成 28 年8月日午後6時現在 )
中国公船 (領海侵入隻 数) 中国 漁船 (退去警告隻 数) 8月5日 3隻 7隻 8月6日 なし 1隻 8月7日 11 隻 15 隻 8月日 3隻 20 隻
※上記 隻数は 延べ隻数
(3) 尖閣諸島周辺海域で確認された中国公船の概要
は、領海侵入した中国公船 ※は、砲らしきものを搭載している中国公船
政府は9日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で挑発行動をエスカレートさせている
中国海警局の公船や漁船の動向、日本政府の対応をまとめた資料を公表した
再三の抗議にもかかわらず、領海侵入が繰り返される事態を重く見た異例の対応で、今月5~8日に中国公船延べ17隻が侵入し、中国漁船延べ43隻も入ったことを明らかにした。政府は引き続き、中国側に即時退去を要求する方針だ、資料は外務省と海上保安庁のホームページに掲載された。今後、英語版も作成し、対外発信を強化する。周辺海域で確認された中国公船16隻もカラー写真で紹介し、うち7隻が「砲らしきものを搭載している」ことも確認された、10隻についてはこれまで尖閣周辺で確認されていない船だったことも判明し、7隻は1~2年以内の新造船とみられる。