中国弾道ミサイル、日本も射程内
高速変則軌道や潜水艦発射型も開発
中国は約2000基もの日本を射程に収めるミサイルを配備しているとみられている。今回発射された東風(DF)21DやDF26といった中距離の対艦弾道ミサイル(ASBM)のほか、変則軌道で高速飛行する新型、潜水艦発射型の弾道ミサイル(SLBM)の開発・保有も進めている。
DF17は在日米軍基地を含む日本の大半を射程に収める。複雑な動きをしながらマッハ5以上で飛ぶ極超音速滑空兵器(HGV)を搭載できる。イージス艦と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)による既存の日本の迎撃システムは、従来型の弾道ミサイルに対応しており、DF17の迎撃は難しいとみられる。
DF41は射程が1万1200キロで米国のほぼ全土に届き、米国が強く警戒。10個の弾頭を搭載可能だ。
今回発射されたDF21Dは射程2150キロで、海上を航行する敵の空母も攻撃できる「空母キラー」。DF21Dの射程を倍以上に伸ばしたのが「グアムキラー」ことDF26である。
中国は8000キロの長射程で潜水艦から発射する「巨浪(JL)2」と、搭載・発射するための原子力潜水艦も開発。潜水艦は海中を隠密に移動でき、相手に発射地点を特定されにくい。中国の潜水艦が第一列島線(南西諸島~台湾~フィリピンを結ぶライン)を越え、東シナ海から太平洋に抜ければ日本はもとより米全土が脅威にさらされる。