キルギス、外交官が中国製ワクチン接種後死亡との情報
中国新疆ウイグル自治区に隣接するキルギスではこのほど、若手外交官は中国製の新型コロナウイルス(中共ウイルス)ワクチンを接種後、死亡したとの情報が流れ、注目されている。
米ラジオ・フリー・アジア7日付によれば、キルギス外務省領事部の副領事であるバフチヤル・シャキロフ(Bakhtiyar Shakirov)氏(39)は1日、急死したことがわかった。遺族は、同氏が中国製薬会社、中国国薬集団(シノファーム)が製造したワクチンを接種したことが原因だと疑っている。
同国保健省の元報道官であるエレナ・バヤリノワ(Elena Bayalinova)氏は2日、シャキロフ氏が中国製ワクチン接種の疑いで死亡したとフェイスブックに投稿した。元報道官は、シャキロフ氏の親族から同氏が生前、シノファーム製のワクチンを接種したとの電話を受けたと明かした。 バヤリノワ氏は投稿で、保健当局が調査を行い、結果を公開すべきだとした。
しかしその直後、バヤリノワ氏はフェイスブック上の関連書き込みを削除し、謝罪した。3日、同氏は再びフェイスブック上で「誤謬というドアを閉じれば、真実に触れることができなくなる」という意味深な投稿を行った。この投稿に対して、コメント欄では、キルギス政府は中国当局からの圧力を恐れて、遺族の真相解明の要求を拒んだのではないかとの声を上げた。
フランス在住のカザフスタン人ジャーナリスト、エルキン・アザット(Erkin Azat)氏はFRAの取材に対して、中国当局は、当初中共ウイルスの感染情報を隠ぺいしたと同様に、今中国製ワクチンのリスクを隠しようとしていると指摘した。 同氏は、中国当局は中共ウイルスの世界的な大流行の原因であるにもかかわらず、「感染拡大と戦う世界的なリーダー」としてワクチン外交を進めていると批判した。
トルコに住むウイグル人のリファット氏は、キルギスのウイグル人住民の多くは中国製ワクチンが原因でシャキロフ氏が亡くなったと考えていると示した。ワクチンを政治カードにしている中国当局は、キルギス政府に圧力をかけ、死因の調査を阻んだ可能性が高いと住民らは推測しているという。
リファット氏は、中国当局は「ワクチン外交」を展開しながら、提供先の各国政府に亡命しているウイグル人の引き渡しを要求するのではないかと危機感を募らせている。
今年2月、トルコの野党議員は、中国側がワクチン提供を切り札に、トルコ議会に圧力をかけ、秘密裏に引き渡し協定を成立させたと暴露した。 トルコはウイグル人の最大の亡命先であるという。
一方、駐キルギス中国大使館は声明で、バヤリノワ氏の投稿について「偽情報を広めた」と主張した。
RFAによると、キルギスのメディアに掲載された同国保健当局の主張では、シャキロフ氏は医療施設で抗生物質を投与された後に死亡したという。また、当局の検死結果では、シャキロフ氏の体にワクチン接種の痕跡を発見されなかった。保健所のワクチン接種登録にもシャキロフ氏の登録情報は含まれていない。当局は、死因に関する最終的の意見は14日以内に発表される。キルギス政府も、ネット上の誤った情報に惑わされないようにと住民に呼びかけている。同政府は、現段階中国からのワクチンは中共ウイルスに対処するための有効な方法の1つだとの認識を示した。
パキスタンの大統領と首相が3月、中国シノファーム社のワクチンを接種した直後に感染が確認されたことを報道された。中国当局は2月、パキスタンへのワクチンの無償提供を始めた。
中国当局が世界80カ国に、中国製ワクチンを提供している。
(翻訳編集・張哲)