◆請求108万円のうち、公費負担の35万円だけ支払い
斎藤元彦兵庫県知事の即時辞職を求める文書を副知事に渡す自民党県議ら=12日午前、神戸市中央区の兵庫県庁(南雲都撮影)
兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑が文書で告発された問題は12日、県議会の全議員が斎藤氏に辞職を求める異例の事態に発展した。斎藤氏はこの日も拒否する姿勢を変えず、県議会では不信任決議案の提出に向けた調整が本格化。9月議会開会日の19日に提出、即日採決され、可決の公算が大きくなっている。背景には斎藤氏への不信感の高まりとともに、一連の問題で主導権を握りたい主要会派の思惑も透ける。
「しかるべき行動に」
「全会派、全議員が一致して辞職を求めることが一日も早く県政を正常化し、前に進めるための一歩となる」
即時辞職の文書を提出した後、県議会最大会派・自民党の北野実幹事長はこう強調した。文書では、9月議会開会までに辞職しない場合は、不信任案を念頭に「しかるべき行動に移る覚悟」と最後通告を突き付けた。
斎藤氏の進退を巡っては、6日に開かれた県議会調査特別委員会(百条委員会)の証人尋問における斎藤氏の答弁を踏まえ、自民が辞職を求める方針を決定。他会派に呼びかけ、第3会派の公明党や立憲民主党議員らでつくる第4会派「ひょうご県民連合」、第5会派の共産党が共同での申し入れに合意していた。
「抜け駆け」警戒
しかし、態度を保留していた第2会派の日本維新の会の県議団が9日、単独で辞職を要求。他会派には、進退を巡る議会側の対応を維新が主導しているかのように映ることに警戒感も生まれた。
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ある自民県議は「維新は衆院選に向けての焦りから先に辞職要求した。不信任案も抜け駆け的に出すのではないか」と神経をとがらせる。令和6年度補正予算案など議案の審議が一区切りする9月30日などで検討されていた不信任案の提出時期は、自民を中心に前倒し論が強まった。
自民、公明、県民連合の3会派は12日に協議。補正予算案については必要性を理解できているとして、開会日の19日に採決することで一致し、同日の不信任案提出がほぼ固まった。
産経新聞
斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題を巡り県は12日、視察先などでの贈答品が飾られた知事応接室を記者団に公開した。文書で「おねだり体質」として受領が指摘されていたゴルフのアイアンセットやスポーツウエアなどが置かれていた。
県の担当者によると、斎藤氏が受領した贈答品は計137点とされ、このうち25点が室内に飾られている。市川町の企業が製作したアイアンや、プロ野球阪神タイガースやサッカーJ1ヴィッセル神戸などのユニホーム4着が展示されていた。
兵庫県知事応接室に置かれた贈答品の数々=12日、神戸市中央区の兵庫県庁(南雲都撮影
淡路瓦のコースターや上郡町のよろいかぶと、丹波市で作られたサイドテーブルや椅子もあった。
斎藤氏は6日の県議会調査特別委員会(百条委員会)で、贈答品を多数受け取ったことを認め「社交儀礼の範囲内で問題ない」と説明した。
産経新聞
兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑などが文書で告発された問題で、県議会最大会派の自民党と公明党、立憲民主党議員らでつくる「ひょうご県民連合」は12日、9月議会開会日の19日に斎藤氏への不信任決議案を提出し、即日採決する方向で合意した。これに先立ち自民などは斎藤氏の「即時辞職」を要求する文書を提出したが、斎藤氏は辞職拒否の意向を表明。各会派は全会一致での不信任案提出に向けた調整に入った。
不信任案は可決される公算が大きく、斎藤氏は辞職か議会解散かの選択を迫られることになる。
自民、公明、県民連合、共産党の4会派は12日、無所属議員4人と共同で辞職要求の文書を副知事に提出。日本維新の会の県議団も先行して9日に申し入れており、全議員86人が辞職を迫る異例の事態となった。
関係者によると、自民と公明、県民連合の3会派の幹部らは12日、不信任案の提出に向けて協議。自民と県民連合は19日に不信任案を提出し即日採決する方針を固めた。公明は13日に合意形成するとしている。
維新も12日、9月議会で提出する方針を決定。維新幹部によると、維新単独での提出は否定し、全会一致での提出を目指して他会派と調整を進めるとした。
地方自治法によると、不信任案の可決は議員3分の2以上が出席した上で、出席議員の4分の3以上の賛成が必要。可決の場合、斎藤氏が10日以内に議会を解散しなければ失職する。議会を解散した場合は、改選後の県議会で3分の2以上が出席し、過半数が賛成すれば不信任決議が成立。斎藤氏は議会から通知を受けた時点で失職する。
産経新聞
兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑などが文書で告発された問題で、県議会最大会派の自民党と公明党、立憲民主党議員らでつくる「ひょうご県民連合」は12日、9月議会開会日の19日に斎藤氏への不信任決議案を提出し、即日採決する方向で合意した。これに先立ち自民などは斎藤氏の「即時辞職」を要求する文書を提出したが、斎藤氏は辞職拒否の意向を表明。各会派は全会一致での不信任案提出に向けた調整に入った。
不信任案は可決される公算が大きく、斎藤氏は辞職か議会解散かの選択を迫られることになる。
自民、公明、県民連合、共産党の4会派は12日、無所属議員4人と共同で辞職要求の文書を副知事に提出。日本維新の会の県議団も先行して9日に申し入れており、全議員86人が辞職を迫る異例の事態となった。
産経新聞