トランプ次期米大統領がフランスのマクロン大統領ら外国首脳と相次いで会談していることを受け、11月にトランプ氏との会談を断念した石破茂首相は、トランプ氏側に「体よく断られた」との見方が与野党から出ている。
首相は11月中旬に南米で国際会議に出席した後、帰国途中で米南部フロリダ州に立ち寄り、トランプ氏と会談することを模索していた。安倍晋三元首相が2016年の大統領選後、各国首脳に先んじてトランプ氏と面会して親密な関係を築いた成功例にならおうとしたが、実現しなかった。
トランプ氏側が大統領就任前に外国要人との会談は行わない方針を示したためだ。日本政府は、民間人が米政府の外交問題で外国政府と交渉することを禁じた米ローガン法を踏まえた判断だとの説明も受けた。
しかし、トランプ氏は11月29日にフロリダ州の私邸でカナダのトルドー首相と夕食をとりながら会談。今月7日には訪問先のパリでマクロン氏と会談し、その後、ウクライナのゼレンスキー大統領も交えて3者で会談した。
自民党の閣僚経験者は米国内法も理由とした説明と異なるトランプ氏の動きについて、「トランプ氏がルールを守ると思うか?(基盤が脆弱な)石破政権がどこまで持つかわからないから、トランプ氏は首相と距離をとっている」と話す。
トランプ次期政権の関係者とのパイプを有する日本保守党の島田洋一衆院議員も、産経新聞の取材に「トランプ氏が優先して会う人物のリストで、石破氏は相当下にある。石破氏レベルと会うと相当数の首脳と会わなければいけなくなる」との見方を示した。
産経新聞
「圧倒的上下関係が背景」女子生徒に校内で性的暴行の元中学校長に懲役9年 東京地裁
勤務先の中学校内で女子生徒に性的暴行を加えたなどとして準強姦致傷罪と児童買春・ポルノ禁止法違反罪に問われた東京都練馬区立中の元校長、北村比左嘉(ひさよし)被告(57)の裁判員裁判の判決公判が9日、東京地裁であり、細谷泰暢裁判長は「教師と生徒という圧倒的な上下関係を背景に犯行に及んだ」などとして、懲役9年(求刑懲役10年)を言い渡した。
弁護側は、被害者は性的行為を拒むことができたほか、けがも証明されていないなどとして、準強姦致傷罪について無罪を主張していた。
判決理由で細谷裁判長は、被告が被害者の内申点などに関わる立場にあり、被害者が「被告の意に沿わない態度をとることは困難だった」と認定。けががあるとした法医学者の証言や手法に「不合理な点はない」として、準強姦致傷罪の成立を認めた。
判決によると、被告は平成22年6月、中学校で抵抗できない状態の女子生徒に性的行為をし、けがを負わせたほか、令和5年9月には、女子生徒らへのわいせつ行為を撮影した映像を所持した。
産経新聞