沖縄県の石垣、竹富、与那国各島などで日刊紙を発行する八重山日報社(本社・同県石垣市)は1日、日本語学校「JSL日本アカデミー」(同県浦添市)理事長の島尻昇氏(66)が社主に、同校長の宮里育江氏(55)が社長に就任し、新体制に移行したと発表した。
島尻氏は産経新聞の取材に「沖縄のメディアは偏りがちだと感じていた。有事の際、石垣島など先島諸島では報道の意義がより増す。事実に基づく報道を心掛けていきたい」と話した。宮里氏は「『一隅を守るは千里を照らすなり』の言葉通り、与えられた場で努力することで光が生まれ、日本、ひいては世界を照らすと考えている。その一心だ」と語った。
昭和52年創刊の「八重山日報」は部数減などで一時経営危機に陥ったが、前社長の宮良薫氏(60)が改革に乗り出し、保守派の意見も取り上げることを重視。革新寄りの論調が目立つ沖縄メディアの中で存在感を放ってきた。地域に密着したニュースだけでなく、論説主幹を務める仲新城誠氏の筆鋒(ひっぽう)鋭い論考も注目を集めており、ウェブニュースは本土の読者も少なくない。
新体制に移行した同社は「感謝と報恩・調和の精神で、事実に基づく偏りのない報道を、使命感をもって行っていく」としている。
産経新聞