不来庵書房 裏庭倉庫

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雑記・雑感も少々。

2022/10/11

2022-10-11 | にゅうす

JR東日本、大糸線南小谷駅まで営業係数8,358 - JR西日本区間上回る

JR東日本が利用の少ない線区の経営情報を開示。大糸線は信濃大町~南小谷間が開示対象(平均通過人員2,000人/日未満)とされ、白馬~南小谷間において2019年度の営業係数「3,8...

マイナビニュース

 
ちょっと古めの記事ですが。

信濃大町以北は基本的に、夏冬の観光シーズン以外は長野県内ですと地元高校(H高校、存続が危険水域)と中学校(H中学校、O中学校。両校とも少子化が顕著)の一部生徒しか利用しない路線だったりします。
そして、肝心の観光客が……

とまあ、路線存続に悲観的な材料は結構あったりします。

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さて、このような発表がJR各社から行われている背景についての私見。

芸備線にしても久留里線にしても大糸線にしても、いまさらJR各社単独での営業努力でどうにかなる領域じゃないんですよねぇ。
かつての「日本一の赤字路線」美幸線(今思えば、営業係数は「たったの」4400でした)のように、人跡未踏の原野を切り開いて新線を建設するような路線ではなく、往年(昭和末期)なら十分な乗降客数が望めた地域でした。
※とはいえ、美幸線を2022年まで存続させていた場合の営業係数は芸備線東条〜備後落合間の約25,000(輸送密度11人/日)を上回る可能性大ですが

鉄道の社会的役割は終わったから廃線・撤去が至当、とする立場もありだと思いますが、盲腸線ではない路線では災害時バイパス路線(東北本線仙台エリアが不通の間、石油輸送が磐越西線→羽越線回りになったように)として保持する必要がある路線もあるように思います。特に函館本線長万部ー小樽間は有珠山等の噴火状況を考えると同区間をあっさり廃止してレールを剥いでしまった場合、札幌都市圏や十勝・釧路エリアからの貨物輸送にかなりの支障が見込まれます。まあ、十勝の農産物なら釧路からフェリーで運んでしまえ!という声もありそうですが、荒天が怖い(苦笑)

赤字以前に、もはや風浪の侵食により維持が限界で新線を引き直すレベルの補修が必要だった日高本線など、自然環境や災害により放棄やむなしな路線はさておき(でも戦前なら陸軍のゴリ押しで線路をもう少し海岸から離れた場所に引き直すんだろうなぁ)。
単にJRの赤字黒字だけでない視点で検討することが必要だと思うのですが、国鉄時代に赤字83線と諸悪の根源とばかりに槍玉にあげたこともあって一般層の理解が難しいかもしれません。

盲腸線となっている支線を赤字だからといって廃止すると本線が死ぬ現象は、既にイギリスで1960年代に明らかになっていたりします。
旅客も貨物も、利用者としては鉄道から鉄道への乗り換え(貨物なら貨車の入換やコンテナの積み替え)は許容できても、いったん旅客なり貨物なりを自動車に乗せてしまったら、目的地の戸口まで自動車(マイカーあるいはトラック)で輸送する方が快適かつ合理的なわけでして。

SDGsだの何だのと言われる昨今、色々な要素に基づいて考えるべきでしょうね。



コメント
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