歴史に交通に地形や地質、と、単にタモリさんたちがぶらぶら歩いているだけなのに楽しく視聴できた好番組でしたが、タモリさんも高齢なのでレギュラー放送終了も致し方ないところでしょうか。
「ブラタモリ」では全国津々浦々、おおよそ一般人がついていける範囲のネタはさらったと思われるので、残念ながら当然かもしれません。このまま続けると大規模な海外ロケを連発するか、逸般人しかついていけないディープネタが炸裂しまくることになりそうです。
NHKの新人女子アナ研修番組としても優れていたと思いますので(名を売れる&一流のトークを直に学べる)、その面でも惜しいかなと。
ともあれ、タモリさんの博識に接する機会が減るのは寂しいところ。
後番組は「新プロジェクトX」の由。20年ほど前に放映されていた前身の「プロジェクトX」はNHKが制作したドキュメンタリーでも名番組に数えられていますが、淀川工業高校(現在の淀川工科高校)グリークラブ(男声合唱部)ネタでのやらかしはいささか残念、というよりNHKも所詮はテレビ屋か、とがっかりした話でもあります。
※同番組制作チームは1979年当時の淀工が「スクール・ウォーズ」のモデルとなった往年の伏見工と同じく荒れた学校であったので、新任教師がグリークラブを設立し音楽を通じて生徒を更生させ……というストーリーで番組を組み立てました。しかしながら淀工は吹奏楽界ではグリークラブ設立当時すでに5年連続で全国大会へ出場した強豪校であり、またその頃の淀工は全く荒れておらず、グリークラブ設立の経緯も事実と異なったため、学校側がNHKに対して抗議する事態に発展。NHKが他の情報番組の中で公式に謝罪を行い、当該放送回は再放送もされずDVDにも収録されないお蔵入り扱いになったという顛末でした。
「新プロジェクトX」では、史実を誇張・歪曲することなく誠実に番組を作って欲しいものです(とはいえ演出は入るんだろうなぁ)。