10月6日に、石巻の町をさらりと廻り、とある横丁を目した。
この日は通り雨があり、雲は多いが青空も覗いて虹が見え、風はちょっと冷たいが、日差しは温かな日だった。
石巻駅を右手に見て、穀町を通り抜けると、大街道沿い(国道398号)に目当ての場所が見える。
「ホット横丁石巻」だ。
たこ焼き屋の「築地銀だこ」が、雇用の場を被災地に設けて支援しようと動き出し、賛同企業を募って株式会社ホット横丁が作られたという。
そして夏には、石巻に小さな商店街「ホット横丁石巻」が出来た。
ここに並ぶ店の一つに、「石巻生まれのホットドック」が売られている。
自家製パンが、宮城の「ひとめぼれ」の米粉が入った物だという。
具も特製のソーセージだというので、旨そうだし地域産物を使っているのに惹かれて食べてみた。
名前は「ロックンロールドッグ」である。
名前の印象では、てっきり香辛料の効いた力強い味かと思いきや、予想を裏切る旨さだった。
びっくりするほど、素材を活かした穏やかな味わいなのである。
石巻生まれのホットドックは、作る人々の心を表したように、素直で温和な味わいだった。
ちなみに、ロックンロールの名前は、石巻に因んでいるようだ。
洒落が効いている。「石」は「ロック」で、「巻」が「ロール」ということらしい。
ほっとする場でもあり、熱意のある場でもあり、ホット横丁は「がんばっぺ」が笑顔で伝わる場所だった。