いけないとは分かってるんですよ。分かってるんだけど、平日の夜に30分以上泣いて、何を言っても納得するはずもない相手に、あれこれ言葉を尽くし、脅し、慰め、もう手は出し尽くして、このままだと何もできないうちに寝る時間になってしまうというところで、チョイチョイ使ってしまう禁じ手を使ってしまった。
そう、「ゾイド買ってあげるから、頑張ろう」
っていうやつ。
原因は学校のプールの、例の地獄のシャワーのこと。
「明日のプールは入りたくない。地獄のシャワーが嫌だ〜」
と、つい先週と同じ理由で、一昨日の夜にまたまた号泣し始めた。
正直、もううんざりだ‼️ シャワーの水が冷たいくらい、なんだ‼️ 全国の子どもが同じ冷たいシャワーを浴びてるんだぞ‼️ ママだって、同じように冷たいシャワーを浴びてきたんだぞ‼️ ついでに、あの目を洗うシャワー、あれなんてもっと嫌だったけど、ママの頃にはそんなのだってあったんだぞ‼️ などと叫びたいくらいの気持ちになったけど、イライラしながらも、ジイジの家から泣いているりょうちゃんを連れ帰り、座ってじっくり話を聞いた。
りょう「シャワーがあるから、プールに入りたくない。ずっと入りたくない」
ママ「その気持ちはわかるよ。冷たくて嫌だよね。だけど、お病気じゃない元気な子は、入らないといけないんだよ」
りょう「でもやなの」
ママ「この前は初めてでビックリしただけだよ。だから、余計に冷たく感じたの。りょうちゃんだって、プールの後の2回目の方が冷たく感じなかったって言ってたでしよ? 慣れれば、前ほど冷たく感じないよ」
りょう「あれはね、りょうちゃんウソついてた。本当のこと言うと、2回目の方が冷たかった」
ママ「えっ、そうなの? それはないと思うけどなぁ。でもさ、ほかのお友達も、それぞれ嫌なことはあるけど、運動嫌いだから体育もしないし、運動会も出ない、算数嫌いだから算数やらないってわけにはいかないんだよ」
りょう「だって氷水より冷たいんだよ」
ママ「ほかのお友達も同じだし、りょうちゃんは、強い立派な体をしてるけど、もっと弱い感じの体の子だって入ってるでしょ。女の子とか」
りょう「りょうちゃんが強いのは闘いごっこだもん。感じ方は人それぞれなの‼️ りょうちゃんは、すごく冷たくて嫌なんだ‼️」
ママ「たしかに、感じ方は人それぞれで、それはりょうちゃんの言う通りだね。でも、この前、お友達に『りょうちゃん、シャワーがやだって泣いてた』って言われちゃったでしょ? 休んでたら、また言われちゃうよ。それでもいいの?」
りょう「それは、ヤダ。でも、シャワーだってやなんだもん」
ママ「学校は、みんなで一緒にいろんなをするところだから、嫌でもやらないといけないこともあるんだよ」
りょう「プール嫌い、学校のプール、絶対に入らない」
ママ「この前、1回だけでいいから休みたいって言うから、ママ、先生に連絡して、その日は休んでもいいことにしたよね? 結局、中止になったけど、1回だけって言ったんだから、りょうちゃんも約束を守って入ろう」
りょう「りょうちゃんだって、約束守った(ちょっと意味不明)」
ママ「そうだね。だから、明日は入るんだよ」
りょう「嫌だ、入らない」
とまぁ、こんな具合で、延々と同じ話の繰り返しで、結局、何を言おうとシャワーは嫌だし、この夜はなんとかしのいだとしても、翌日の朝もまた、同じことを繰り返すんだと思ったら、本当にうんざりしてしまった。だって、結局、りょうちゃんの結論は変わらないんだもん。嫌なものは嫌。毎回泣いて、毎回ごねる。だからといって、習い事と違うから、やめていいよとも言えない。帰ってから寝るまでに1時間ちょっとしかなくて、これからお風呂入って、音読聞いて、時間割そろえて、宿題の丸つけして、ピアノに家庭学習と、やらないといけないことがたくさんあるのに、毎回毎回この嫌だ嫌だに朝晩付き合ってなんていられないと、心底思った。
それで、りょうちゃんと話しながら葛藤してだけど、ずっと泣き続けてるりょうちゃんに、
「分かった。それじゃあ1年生の今回だけ特別に、1学期と2学期のプール全部行くって約束で、ゾイドを買ってあげる。2000円くらいのやつ。そのかわり、りょうちゃんは、1学期と2学期のプールには全部行きますって、紙に書いてママにちょうだい。誓約書って言うんだよ。そして、これは、1年生だけ。2年生になったら、もうお兄さんになって、新しい1年生の見本にならないといけないから、プール嫌だとか言うのはなし。それを守れるなら、1年生の時だけ、夏休みに入ったら買ってあげる」
そういうと、りょうちゃんはちょっと考えて、
「1学期と2学期の分、2個買ってほしい」
だって。なんと現金な‼️ 結局、そんなもんなのよ。心底嫌なんだとは思うけど、ゾイドに負けちゃう程度。家のお風呂では、わざと水を浴びて、「きゃーっ」なんて喜んでたりするんだから。
まぁ、とにかく、これで毎回の号泣に付き合わなくていいことになって、ママはホッと一安心😅
どうせ、夏休みには、退屈しのぎにゾイドを1つ買ってあげようかなあと思ってたし、ちょうどよかったよ。
ただ、いつもいつも物で釣るわけにはいかないから、この禁じ手は、本当に困った時の最後の手段と肝に銘じなくては。