以前の話である。
夏の暑さが落ち着くころ
目にもとまらぬスピードで
花から花へ飛び回る
蝶がたくさんいた。
そんな光景を見かけなくなって
もう何年くらいたつだろう?
その蝶は
イチモンジセセリ。
アサギマダラは
渡りをする蝶として
よく知られているが
イチモンジセセリも
渡りをする。
渡りの様子は
マーキング調査をしている
アサギマダラほど
分かっていないが
春には南から北に移動し
秋には越冬のために南に
移動するようだ。
夏の終わりから
秋にかけてこの蝶を
よく目にしたのは
集団移動中だった
と言うわけだ。
イチモンジセセリの食草は
イネ科の植物
代表はイネだ。
幼虫はツトムシと呼ばれ
米作りの農家で嫌われる害虫だ。
イチモンジセセリの減少は
米作りの減少や
農薬の使用などにも
原因があるのかもしれない。