最後に登場したのは山中千尋だった Jazz Battle その3

ドラムの渇いた音が、徐々に早くなり、その音をピアノ鍵盤の上を山中の指先が追いかけていく。
ドラムは、さらに早くなる。ピアノが追いかけ、遂には追い越していく。

普段はクラブで演奏しているので、舞台で演奏するのは勝手が違う。
と、その演奏が終わった後で話されたが、私にとって本格的なジャズピアノを生で聞いたのは、この日が初めて。

凄まじいばかりのエネルギーとスピード感、それは、今までまったく聞いたことがなかったニューヨークのジャズシーンの世界だった。

アフター・アワーズ~オスカー・ピーターソンへのオマージュ 山中千尋,アヴィ・ロスバード,脇義典 UNIVERSAL CLASSICS(P)(M) このアイテムの詳細を見る

紅のギター、楓色のギター、水色のギター Jazz Battle その2

二人目は小沼ようすけのグループだ。
ステージに三台のギターが置かれている。

映画七人の侍で、三船敏郎だったかな、浪人が地面に何本も刀を差していく。
そこへ野武士達が襲い掛かる。
浪人は、きゃつらを、刀を変えながら、伐って、切って、斬りまくる。
日本刀は一人斬れば、それだけで刀が歪む。
だから黒澤監督は一本の刀では足りないと考えたのだ。
まるで、そんな雰囲気でギターが置かれている。

小沼ようすけは、ギターテクニックの天才である。
美しいシンバルの響きを背景に、真紅のエレキを自在に操り、シャープな音が冴え渡る。

しかし、楓色のギターに変えて、彼が住む海辺の家に吹く風を取材した曲をひとりで弾くと、会場のなかに、自然な風がそよいでいるかのようだった。

最後に水色のギターを手に取り、かつてニューヨークで録音した曲を奏でた。

やはり、侍のような音楽家だった。

3,2&1(初回生産限定盤) 小沼ようすけ ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル このアイテムの詳細を見る

アジアンビューティーは金髪だった。 JaZZ Battle その１

レモンステーキの夕食を終わってから出かけた。
だから、ジャズバトル2008の会場に着いたのは午後5時20分を過ぎていた。
出遅れた。会場入り口には長い行列ができている。

窓口で恐る恐る、まだ当日券はあるでしょうかと尋ねると、
予約してたけど、来れられなかった人の券があります。
一番いい席よ。
中央五列目の通路側のチケットだ。
遅れてきて来てよかった。席に着くと、館内がゆっくりと暗くなっていった。

トップバッターは、16歳でデビューした後、テレ朝のニュースショーのオープニングソングで松永貴志ととに起用されているジャズサクソフォニストの矢野沙織だ。

某化粧品会社のキャンペーンでも、CM曲を作詞・作曲し、黒髪の美しいアジアンビューティーとして自身もCMに出演した。
しかし、舞台に登場した、その彼女は金髪だった。
一年前から毎月ブリーチをはじめ、最近やっと納得できる金髪になったという。

もちろん、ビリー・ホリディの暗い日曜日からはじまったサクソフォンと黒を基調としたファッションは抜群だった。

Little Tiny 矢野沙織,金子雄太,ロニー・スミス,細野よしひこ,ピーター・バーンスタイン,小松伸之,ルイス・松永貴志貴志貴志,ウイス・ナッシュ Columbia Music -,inc.( C)(M) このアイテムの詳細を見る

中秋の名月に誘われてコンサートに行った。ビアノは打楽器だ。いや格闘技だ。

武蔵野音楽大学の学内オーディションに合格した金子淳君がスタンウィでシューマンのピアノ協奏曲イ短調Op.54を力演した。
館内は相当冷房が効いていたが、それでも汗が出るのか、氷川きよしに少しだけ似ている金子君は演奏の合間にしきりにハンカチで手を拭いていた。
今日の緊張感が維持できれば、ピアノのハンカチ王子になれるかもしれない。
ワグナーの楽劇トリスタンとイソルデより前奏曲と、「愛と死」の弦楽も悪くなかった。

本来、演奏家たちは猛獣だ。
指揮者は鞭ならぬ指揮棒を持った猛獣使いだ。
演奏者は楽譜と指揮棒だけで演奏しているわけではない。
ほおっておけば、大変なことになってしまう。
しかし、基本的には学生オーケストラであり、この演奏会も教育の一環だ。
だから、和気藹々と殺伐として、連帯感を持って競い、その雰囲気のなかで、一曲演奏するごとに、音が美しくなっていく。
指揮者のカールマンは、優れた教育者だ。
岡山にも彼のような指揮者がほしいものだ。　

来年の春、プロオーケストラに入団できる四回生は、このなかに何人いるだろうか。
男子学生演奏家たちの少しクールな表情を見るに付け、少し、そのことが気になった。

データ

武蔵野音楽大学大学管弦楽団演奏会
9月12日(金) 18:30開演
岡山シンフォニーホール
2,000／小中高1,500(全席自由)
指揮＝カールマン・ベルケシュ [客員教授]
ピアノ独奏＝本学学内オーディション合格者
シューマン：ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
ストラヴィンスキー：組曲「火の鳥」（1919年版）　他

中川翔子コンサートツアー2008~貪欲☆まつり~(初回生産限定盤) SMR(SME)(D) このアイテムの詳細を見る

バッハは悲しみの表現として下降する半音階の進行を用いた/神こそわが王―精神史としてのバッハ

神こそわが王―精神史としてのバッハ 丸山 桂介 春秋社 このアイテムの詳細を見る

ミュージカル 星の王子さま

「DVD NAVIGATOR」データベースより
2005年8月に新国立劇場で行われた、アントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリ原作の名作児童文学のミュージカル版。砂漠に墜落した飛行士と遠い星からやって来た少年との心の交流を描く。出演は『NANA -ナナ-』の宮崎あおい、岡田浩暉、ROLLYほか。

ミュージカル 星の王子さま ハピネット・ピクチャーズ このアイテムの詳細を見る

スリラー 25周年リミテッド・エディション CD+DVD

ディスク：1
1. Wanna Be Startin' Somethin'
2. Baby Be Mine
3. Girl Is Mine
4. Thriller
5. Beat It
6. Billie Jean
7. Human Nature
8. P.Y.T. (Pretty Young Thing)
9. Lady in My Life
10. Vincent Price Excerpt [From "Thriller Voice-Over Session]
11. Girl Is Mine 2008 [#]
12. P.Y.T. (Pretty Young Thing) 2008 [#]
13. Wanna Be Startin' Somethin' 2008 [#]
14. Beat It 2008 [#]
15. Billie Jean 2008 [Kanye West Mix][#]
16. For All Time [#]
17. Got the Hots [*]
ディスク：2
1. Billie Jean [DVD]
2. Beat It [DVD]
3. Thriller [DVD]
4. Billie Jean [DVD]

スリラー 25周年記念リミテッド・エディション(DVD付) マイケル・ジャクソン,ヴィンセント・プライス,ウィル・アイ・アム,エイコン,ファーギー,ポール・マッカートニー SMJ(SME)(M) このアイテムの詳細を見る