満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『黄金の王 白銀の王』

2007-12-09 16:09:34 | 

皆様ごきげんよう。二日連続で気がついたらいつの間にか寝ていた黒猫でございます。どんだけー。

今日は本のレビューを。

『黄金の王 白銀の王』(沢村凛著、幻冬舎)

海に囲まれ、他国と隔てられた国、翠。
この国では、かつて国家を統一した大王の息子である双子の兄弟の血筋による後継争いが脈々と続いていた。片方は自らの一族を鳳穐(ほうしゅう)と名乗り、もう片方は自らを旺廈(おうか)と名乗った。鳳穐の者が王座にある時、旺廈の者は迫害されその数を減らすが、機を見て蜂起し、王座を奪う。逆もまた然り。この国の歴史はその繰り返しで成り立っていた。
そして現在、鳳穐が王座を占めていたが、ある時、幽閉されていた旺廈の頭領・薫衣(くのえ)を奪還して蜂起しようという企てが起きる。幸い首謀者は殺され、未遂に終わったが、若き鳳穐の頭領にして現在の翠王・穭(ひづち)は熟慮の末、鳳穐と旺廈の争いを終わらせる方法を思いつく。
穭は薫衣と二人きりで面談し、「将来的にふたつの血筋を混ぜ、争いを終わらせるために、自分の妹を娶れ」と持ちかけるが・・・?

というような話。

面白かったんですが、とにかく登場人物名の漢字が難しかったです。いちいち登場人物一覧を引いて名前を確かめるわたしって一体・・・。

それはさておき。
実はあらすじに書いた部分はほんのプロローグで、結局薫衣は結婚を承知して、自分の一族にも鳳穐にも侮蔑されつつも、一族の繁栄ではなく、国としての繁栄のために耐え忍ぶ道を選びます。そこからが大変、という話でした。表向きは宿敵の一族の娘に一目惚れして、自分の一族を捨てて裏切ったというような扱いになっていて、真実を知っているのは穭と薫衣だけ、というような状態なのです。いやあ可哀想だった。

で、色々ありつつも時は過ぎ、こんなことやあんなことがあって、と展開していくんですが、最後のほうがやたらあっさりしていました。もうちょっとなんかこう、あってもよかったのでは。主人公ふたりが目指したものの行く末が最後の数行であっさり語られたのは何だかちょっと物足りませんでした。
絶対的な対立を描きたかったんだと思いますが、ちょっと色々単純化しすぎな気も。一冊で押さえようと思ったら仕方ないのかな。

設定からして多分中華系の世界観なんだと思いますが、それと表紙絵がなんか合ってなかったなあ。別にいいですが。
コメント
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