ガソリンが安くなったけど

ガソリン・灯油が安くなって、燃料費が下がり、個人も経営者もさぞや喜んでいることでしょう。
私自身も毎週車のガソリンを入れる際に「また安くなっているな」とちょっとうれしい気分です。
私個人なんて小さなものですが、企業からすると莫大な経費削減が出来るのです。
ところが、燃料費が下がれば景気が良くなる、そういう訳でもないのです。
確かに少し前までは原油価格の下落を歓迎していたのですが、行き過ぎたこの状況で世界的な影響が出たのです。
アメリカ・カナダ他ではシェールガス・シェールオイルというモノが開発されてきました、シェールオイルとは簡単に言えば原油の代替エネルギーです。
原油のように油田から湧き出てくるモノではなく原石を採掘してそこから燃料となる物質を抽出するのです、手間が掛かります、しかしいずれ枯渇する原油に対して必要不可欠なモノだと考えられます。
アメリカではこの燃料抽出技術も確立され、関連企業も増えました、当然雇用も増え、失業率の向上に貢献し始めていたのです。
このことは本来喜ばしいことなのです、ただ１つだけこのシェールには問題があって、前述の通り、原油に比べてコストが高いのです。
そんな中、原油価格が下落したのです、じつは意図的なモノがあるのです。
ＯＰＥＣ（石油輸出国機構）は通常ならこの下落に対して、「そんなに安いんじゃ売りません」となるはずなのですが、シェールに対する危機感から「安くても減産はしない、今後数年間はこの価格で対応する覚悟は出来ている」とけんか腰なのです。
コレはＯＰＥＣとシェール産出国との経済戦争です。
もう既にアメリカでシェール企業１社が破綻しました、このまま行くと１社にとどまらずどんどん続くでしょう。
このことにより世界の株式市場にはくもりが出始めています、ＮＹダウも日経平均も。
円安や株式の値上がりと、経済は良い方向に進み始めていたのに、またつまずいてしまったのです。
ガソリンが安い・灯油も安いと喜びたいのですがそうも言っていられないのです。
何事も適度に安いが一番良いのです。

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