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「十七条憲法」に記された民主主義の思想

2017-05-11 17:35:39 | 今に生きる

「十七条憲法」に記された民主主義の思想

前回に続いて馬淵睦夫氏の書籍から抜粋しました。

抜粋1:

「十七条憲法」に記された民主主義の思想

日本には、古くから自由も民主主義もあります。それは『古事記』を読めば

わかります。

前著(『和の国・日本の民主主義』)で詳しく述べましたが、日本は世界で

最も古い民主主義国だと思います。日本は古来より「合議制の国」なのです。

高天原の神々も、すべて話し合って物事を決めていました。

民主主義、議会政治の元がここにあるわけです。これが日本の伝統的な

民主主義でなくてなんと言えばよいのでしょう。

高天原以来のこの精神が、十七条憲法に文字化されているのです。

十七条憲法の一条は「和を以て貴しと為し」です。

ちゃんと話し合えと言っているのです。

しかも最後の十七条にも

「必ず衆(もろもろ)とともに宜しく論(あげつら)うべし」と書いてあります。

つまり、「話し合え」と言っているわけです。話し合えば物事はうまくいくと

言っているのです。だから日本は、世界のなかでも最も民主主義国であったと

言えると思います。

残念ながら、これまで私たちはそういうふうには教えられてきませんでした。

また、そういう発信もしてきませんでした。

しかし、前述したように、すでに日本は議会制民主主義の基礎を

遙か昔から持っていたわけです。

西洋こそ、私たちの価値観に沿うべきだと私は思います。

 

 

櫻田さんは「近代以降、日本の国家路線の基調は、福沢諭吉が『文明』と

呼んだものに連なることにあった。その対外政策上の具体的な表れが、

明治期における日英同盟であり、昭和中期以降の日米同盟であった」とも

書いています。

このような解釈をされているのです。非常に驚きました。

評論家の日下公人さんがよく言っておられますが、これは、「劣位戦」です。

つまり、最初から日本は下に立って対応しているわけです。

こういう対応の仕方を続けていけば、いつまでたっても日本は

真の独立ができません。精神的に独立していかないと、物理的にも

独立できるわけがないのです。

ですから、私たちが今やるべきは「優位戦」なのです。

 

 

私は、櫻田さんを直接存じ上げないので、この文章だけで判断しては

いけないのかもしれません。しかし、「明治以降の日本の国家路線の基調は、

福沢諭吉が『文明』と呼んだものに連なることにあった」という主張には

強い違和感を覚えます。

もしそうであったなら、とっくの昔に日本は植民地になっていたはずです。

なぜ植民地にならなかったのか。そこに明治の先達の苦労があったわけです。

彼らの文明を「そのまま」受け入れなかった、日本の伝統に合うかたちに

つくりかえて受け入れたからこそ、日本は植民地化されなかったのです。

日本という国柄を考える場合、このことが最も重要なことです。

日本は無制限に、無制約に西洋文明を受け入れたわけではありません。

これが日本の国体であり、日本の歴史の神髄なのです。

こういうことが子供たちに教えられていないということこそが大問題なのです。

それが日本人としてのアイデンティティを失う大きな原因になっている、

と私は思います。

 

抜粋2:

産経新聞の「正論」欄(2016年6月27日、29日)に掲載されたお二人の論文を

見ながらこのテーマについてお話したいと思います。

ひとつは評論家の宮家邦彦さんの論文、もうひとつは東洋学園大学教授の

櫻田淳さんの論文です。

お二人の論文に共通するのは、一言で言えば「日本はグローバリズムの方針を

貫くべきだ」ということです。そして、国際主義は理性だと言っています。

「「理性主義」が立派な態度だとするお二人には見落としているものがあります。

それは、理性主義は左翼思想であるということです。

グローバリズムというのもいわばアタマで考えたひとつの理性的な

イデオロギーに過ぎないのですから、これも左翼思想であるのは当然です。

つまり、このように「保守の人が左翼思想を擁護している」というのが、

今のわが国の言論界の状況なのです。

 

………………………………………………………………………………………

 

馬淵睦夫氏は、理性的な発言をしている人には気をつけろ と言っておられます。

私たちは理性的側面と感情的な側面の両方を持っている存在です。

この2つのバランスをどうとるかが個人の生き方にかかわりますし、

日本国全体の問題でもあります。

 

 

 


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (小平次)
2017-05-12 08:58:32
ごぶさたをさせて頂いております。

小平次です。

『日本は無制限に、無制約に西洋文明を受け入れたわけではありません。

これが日本の国体であり、日本の歴史の神髄なのです』

これはまさにその通りでありまして

私も、好きな古代史を学んでいますと、わが先人たちは、やみくもに大陸からの文化を受け入れていたわけではなく、必要なものだけ取り入れ、国に害をなすようなものは排除してきた、ということに、つくづく気づかされます。

このような記事のご紹介、ありがとうございました
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コメントありがとうございます ()
2017-05-12 20:39:29
小平次さん、ご無沙汰です。 

幸です。コメントをありがとうございます。

掲載の文章を読んで、今の国際情勢を知るにつけ、

ますます先達への思いに、感謝せずにはいられません。

学校では学べなかった、または、学んでこなかったこと

を反省し少しでも知る努力をしていこうと思います。

ありがとうございました!


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Unknown (Unknown)
2020-05-26 00:35:47
右翼が嫌い?なGHQが、紙幣に聖徳太子の肖像画を残したのも、そういう理由からだそうです。
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