「明治維新150年目の岐路に立つ日本」
前日の続き……………………
「美(うま)し国」日本の底力 著者:加瀬英明 馬淵睦夫
発行:ビジネス社 第1版発行 2017年10月1日
◎取り戻すべき日本独自の教育システム
加瀬 戦後の受験戦争は、知を育むどころか、国家による子供への壮大ないじめと化しました。
こんなにいじめが社会的な問題になっている中で、実は国がこれからの日本を担う少年少女に公的ないじめを行っている…。ですから僕は、受験戦争の片棒を担いでいる文部省の解体論者なのです。
江戸時代を例にとると、幕府には教育担当の役人というのは実のところ一人もいませんでした。その代わり、寺子屋が全国に2万校以上あったのです。これは今で言うチャータースクールのように、全部地域住民による手作りの教室でした。しかも、士農工商の「農工商」の庶民の学校だったのです。それでも男女が等しく学んで、優れた人たちをたくさん輩出しました。
侍の息子たちは、「藩校」という藩の学校に通いましたが、武家の娘たちには行く学校などありません。では、どのように教育していたかというと、全部、家庭で教え、しつけられていたのです。
こうした日本独自の教育システムが、江戸時代は十分に機能していました。それなのに、明治維新の近代化の産物である現在の学校制度において、先ほど申し上げたように「心」はないがしろにされるばかりです。
これが日本の今の停滞を生み出している大きな要因ではないでしょうか。だからこそ、皆さんには、受験地獄というのは、壮大ないじめだということを認識し、それを打破するために声を上げてほしいと思っているわけです。
◎日本人が失ってしまった「宝」
加瀬 日本は本来「心」の国であるにもかかわらず、その心がだんだんと疎かにされてきた結果、明治維新から150年経ったこの時期に、改めて明治維新の功罪を考えるべきではないかということを、ここまで大使と話してきました。やはり、近代化によって私たちの大切な宝=心を失いつつあるということを、皆さんにぜひ気付いてもらいたいですね。
馬渕 そうですね。もう先生に結論をおっしゃっていただいたわけですが、一言付け加えさせてください。
今のマーケット至上主義には、心が必要ありません。ですから、マーケットが中心になる社会というのは必ず心が荒んでいきます。
先ほど勝海舟の借金に対する考えをご紹介しましたが、かつて我々日本人の経済活動には必ず「道徳」が入っていました。単に儲かればいいというのではなく、そういうことを改めて思い返す時期に来ているのではないかと思います。
加瀬 大使が書かれた『グローバリズムの終焉』(KKベストセラーズ)という本にもあるように、グローバリズムは日本人を日本人でなくしてしまいます。日本人でなくなるということは、日本が滅びるということ。ですから、もうそろそろグローバリゼーション=アメリカニゼーションを我々は断ち切らなければいけないということなのです。
馬渕 まさにその通りだと思います。
加瀬 仮に2000年以上昔の非常に古い良いものを一点持っていて、それが大変な値段で売れるとなったら、皆さんはおそらく売らずに逆に必死になって守りますよね。
我々が持っている日本の文化的な伝統というのは、まさに2000年以上経った、素晴らしい宝なのです。ですから皆さん、そういう本当に世界でも稀な宝を日本人一人一人が持っているということを、決して忘れないでいただきたいと思います。
やはり、この日本という宝を我々が大事にしないと。我々の子供、孫にこれを受け継いでいかせられなくなってしまいますから。
馬渕 我々は日頃、日本国家というもののありがたみを感じていません。日々、美味しいものを食べ、楽しく生活する、それはそれで良いことですが、しかしそれはあくまで日本という独立国家があるからできる話です。
我々が当然と思って感じてこなかった国家のありがたさが、”残念ながら“今後は感じられるようになるかもしれません。
残念ながら、というのは、そういうことを感じられるときというのは有事のときなんですね。おそらく、そういう時代が来てしまうでしょう。
加瀬 すでに、我々は有事の中に生きているともいえます。朝鮮半島の情勢が緊迫するようになっていることからも、それは明らかなのです。
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まさに、有事の中にいると日々感じています。世界情勢が日々、刻々とnewsとして入ってきています。日本のオールドメディアは、どういう訳か正しいニュースは流しませんね。国民を都合の良い方向に誘導していることが、その文章の流れ、テレビの構成でも発言の言葉によって、よく分かってきました。そのことに気づかないでいる多くの人々。一度洗脳されると、思い込みが激しく、自らが何かのキッカケによって気づかないかぎり説得は難しいですね。まだ多くの60%の人々がお花畑の中にいるようです。ハーメルンの笛吹き男によって夢遊病者のように、後をついて言っているように見えます。
昔のドンパチやる戦争と違って、表面だけでなく水面下のやりとりが静かに進んでいるようですが、今は、ネットの時代ですので刻々と政治、経済、環境の変化する様子がよく分かります。朝鮮半島の情勢が緊迫していますが、この有事の事態を見守りたいと思います。
教育がとても大事だということがよく分かります。一部の一般の人の言動もそうですが、昨今のnewsになった官僚や国会議員、地方議員等の言動には、呆れてしまいます。東大を出たから優秀だとか、弁護士、検事が信用に値するとかは無いです。学校の教授、名誉教授、理事と称する人、そして、監督、コーチという指導者は、その仮面の中はどうなっているのでしょうか。
日本独自の教育システムを考える時がきています。
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