武士道とは何か?その①
昨今、思うことは、武士道とは?大和魂とは?ということが気になっています。
今の日本の民衆に、その心は受け継いでいるのだろうかという疑問が湧いてきます。
そもそも武士道とは何か?が分かっていないことには始まらない。そこで、最近読み始めた
本の中から基本を押さえておこうと思います。
今回はその概要を述べておきます。
図説実話で読み解く!
「武士道と日本人の心」 山本博文[監修] 青春出版社 より抜粋
◎新渡戸稲造と「武士道」について
新渡戸稲造は、海外にはびこる誤った日本人観を是正するため、英語で『武士道』を著し、
アメリカで刊行された書である。明治三十二年(1899)のことである。
当時、三十八歳だった新渡戸稲造が英語で著したもの。
原題は、『BUSHIDO The Soul of Japan』である。
その翌年、日本でも販売され、その後、ドイツ、ポーランド、フランス、ロシア、イタリアなどで
も翻訳され出版された。
『武士道』は、日本人の道徳意識や思考法を明らかにしたものである。
明治二十~二十三年(1887~90)にかけて、新渡戸がドイツに留学していたときの
エピソードがきっかけで自問自答を重ね、ようやく一つの答えに行き着く。
「自分の正邪善悪の観念の様々な要素を分析してみて、それらの観念を私に吹き込んだの
は『武士道』であったとようやく気付いた」
折しも『武士道』が執筆された当時、日本は日清戦争(1894~95)に勝利を収め、世界の
列強に名を連ねようとしており、世界から注目を集めていた。
「東方に存在する好戦的で野蛮な未開の国」がなぜ強国足り得るのか、欧米人の興味は
尽きなかったのである。
そこへ、日本人の意識と行動について日本人が著した『武士道』が出版された。
そうしたことも『武士道』が海外でベストセラーになった一因だろう。
『武士道』は全十七章からなる。第一章と第二章では武士道の源泉がどこにあるのかを
解説し、第三章から第九章において、武士が身につけるべき徳目として「義」「勇」「仁」「礼」
「信(誠)」「名誉」「忠義」について触れている。
第十章「武士の教育」、第十一章「克己」、第十二章「切腹と仇討の制度」、
第十三章「刀、武士の魂」、第十四章「女性の教育と地位」、第十五章「武士道の影響」、
第十六章「武士道はまだ生きているか」、第十七章「武士道の未来」
第十五章の「武士道の影響」において、武士道が武士だけの心持ちではなく、民衆の間にも
「大和魂」として浸透していると展開。「武士道を理解することは、日本人全般の意識や
考え方を理解する基本なのだ」と述べ、武士階級は消滅したが、武士の理解は必要だと
説いている。
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この新渡戸稲造の『武士道』の本が世界的に読まれ、今でも隠れたベストセラーではない
かと思いますが、肝心の日本人がその心を読み取り、理解しなければと思っています。
歴史の流れの中で、今日の日本人が醸成されてきていること、或いはどこでどう違って
きているのか。男も女も、これから統合の時代に向かっていますので、
旧きを訪ね新しきを知ることによって、これから生きる指針の参考にしたいと思います。
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