大法師公園は眺めが良いので、小休止を兼ねて四方の景色を眺めました。桜の時期には、遠くからでも目立つ山であるようです。
次に向かうスポットは大体あの辺かな、と地図と景色を見比べて確認し、下の駐車場に戻って車に乗りました。一気に下山して下の県道42号線に戻り、劇場版にも登場した犬山あおいの異動先の学校のモデル、鰍沢小学校の西を通り過ぎて少し進みました。
県道42号線の青柳五丁目信号交差点で左折して中央通りに進み、しばらく行くと右手に上図の「ミート高橋」が見えました。原作コミック第13巻150ページで鳥羽美波先生が花見キャンプ用の肉を調達しに行ったお店「肉の高林」のモデルで、151ページ2コマ目に外観もそのまま描かれています。
さらに中央通りをそのまま道なりに北進して、14時46分に利根川公園沿いの新利根川橋南詰の信号交差点に至って右折、次の辻で公園の東側の旧道へと左折し、上図の公園東駐車場に入りました。
駐車場の脇に上図の電車車輌が静態保存されていました。原作コミック第14巻9ページ2コマ目に出ている「レトロでかわいい路面電車」がこの車輌です。作中では各務原桜が「富士川長沢公園」と呼んでいますが、ここ利根川公園の所在地が富士川町長沢であるのに因むようです。
この車輌はかつての山梨交通電車線の郊外型路面電車の車輌です。正式名は「山梨交通7形電車」で、昭和37年に廃止されるまで「ボロ電」の通称で親しまれたそうです。作中で各務原桜が「昔は甲府も路面電車が走っていたらしいわね」と言っていますが、その通り、車体前面に運行区間を示す「甲府駅前---甲斐青柳」の駅名を記したプレートがおさめられています。
現在地の東の車道がかつての軌道跡で、そのまま富士川町役場の東側まで続いていますが、その行き止まり地点がかつての甲斐青柳駅の跡地です。
脇に立てられる大きな案内板の左半分の説明文です。これによると、展示車輌は山梨交通電車線の廃止後は長野県の上田丸子電鉄で走り、次いで神奈川県の江ノ島鎌倉観光線で走って、昭和61年に廃車となって現地に里帰りした、となっています。
なので、現在の姿は江ノ電での晩年の姿のままであるそうです。
大きな案内板の右半分の年表です。当地はかつて増穂町でしたので、案内板の下に町名もそのまま書いてあります。かつては南巨摩郡増穂町でしたが、平成22年3月に鰍沢町と合併して富士川町となっています。
展示車輌は御覧の通りの赤っぽいベージュ色で、江ノ電の二色塗りとは違うカラーなので、おそらくは山梨交通電車線当時のカラーに復元されているのかもしれません。
かなり痛みが目立ちますが、覆屋が付いていて野ざらし状態ではないので、まだ保存状態はマシなほうだと思います。
乗降扉への階段が設けられていて、扉ごしに中を見られます。定期的にメンテナンスがなされているのか、割合に綺麗な状態でした。利根川公園の園地内にありますので、行政当局が管理しているのか、それとも地元有志による保存管理がなされているのかは分かりませんが、少なくとも放置状態ではないようでした。 (続く)