2018/11/25, シリコンバレー在住の戦略コンサルタントの2人、渡辺,奥本:自身のツイッター投稿が原因となって会長を辞任したテスラCEOイーロン・マスクとのトークバトル!そこから見えたのは、渡辺、奥本も所有しているという自動車会社テスラの、狂気で愛すべき内部事情
渡辺:9月に終わった第3四半期で黒字化しないと倒産すると言われていた。黒字化はモデル3にかかっていて、まず製造が追いつかずに今年の頭からずっと苦労していて、最初の危機は「6月中に週産5000台を超せるか」だったんだけど、これは6月の最終週に達成。そして第3四半期は単期黒転しないと資金ショートで倒産すると。それで、納車に時間がかかる東海岸の注文を後回しにして、シリコンバレーの工場の駐車場で週末に即売会やっていたくらいクレイジーだった。
奥本:実は私もモデル3をオーダーしていたんだけど、急にテスラから電話がかかってきて「納車できます」と言われたのが、なんと9月の最終週。そして納車されたのが9月29日の土曜日。なんと、上級エンジニアが自ら運転して来てくれた。その彼は、「もう次行かなきゃ」と気もそぞろで、納車マニュアルを読みながらテスラの運転の仕方を解説した後に、そそくさと小切手を受け取って5分ぐらいで去っていったわ。テスラの事情をニュースで読んで知っていたから、握手して、「とにかく頑張ってください。応援してます!」と言って、夫と一緒に手を振って送り出した。
渡辺:6月の末に工場見学に行ったんだけど、モデルSとモデルXの製造ラインは8割ぐらい止まっていて、モデル3は今までの製造ラインとは別に巨大なテントを立ててその中で作っていて、見せてくれなかった。巨額の資金を投下した最新鋭の製造ロボットがうまく使えなかったのがモデル3の製造台数が増やせなかった理由なんだけど、結果的にモデル3は相当手作業で作っているみたいね。インターネットで見たコメントでは「テスラでインターンをしている博士課程の学生だけど、突然工場に駆り出されてボルトを締めて1日が終わった。横でイーロンもボルトを締めていた」なんていうのもあった。そして私が工場見学に行った日は偶然イーロンの誕生日だったんだけど、この日も彼は工場に泊まり込んでいたらしい。見なかったけど。
奥本:インタビューの中で、イーロンが何度も繰り返して「車の会社をオペレーションしていくのはどれだけ大変か」ということを話していた。アメリカの自動車会社の中で倒産していないのはフォードとテスラだけ、次のリセッションではフォードさえどうなるかどうかわからないと言っていたのが印象的だった。やはり、数多くのサプライチェーンをマネージしながら車を生産していくのは本当に大変なことなんだね。
渡辺:ホンダの人は、「テスラの工場なんてそれほど最新鋭ではない。ライン非稼働は製造業の最大の悪で、絶対起こしてはいけない事態」と言っていたけどね。
渡辺:テスラに乗り始めて1年半くらいだけど、アップデートごとにどんどん良くなっている。今回は、特に車線変更が劇的に向上した。「ウインカーを出すと、車のコンピュータが判断して自動的に車線変更する」という仕組みは前から一緒なんだけど、これまでは、ウィンカーを出しても同じスピードで走り続けて、5秒ぐらいの間に車線変更できるタイミングが来なければキャンセルという感じだった。それが新しいバージョンでは、「スピードを落として隣の車線の車の後ろに入る」とか、「車線変更をし始めたところで後ろの車が速すぎると判断、いったん戻り、後ろの車がスピードを落としてくれたら改めて入る」といった本当に人間のような動きができるようになった。あと、カーナビに行き先を入れておくと、車線変更すべきタイミングで変更指示が出て、それを承諾するためにウィンカーを出すと車線変更される、というのもできるようになった。ポッドキャストでもイーロンが「来年には完全な自動運転にする」と言っていて、彼はいつも話が大きいので半分くらいに受け取るにしても、かなり近づいてきた感はある。ただし高速道路だけだけどね。
奥本:法規制に関しては、今のところ無人の自動運転を許可している州は限られるのだけれど、今後は国レベルで決めて行くべきだともイーロンは言っていた。この先自動運転の走行距離がどんどん増えて、その結果自動運転の方が安全だということが実証されたら、法規制の方も変わるんだろうね。https://forbesjapan.com/articles/detail/24014/2/1/1
渡辺:9月に終わった第3四半期で黒字化しないと倒産すると言われていた。黒字化はモデル3にかかっていて、まず製造が追いつかずに今年の頭からずっと苦労していて、最初の危機は「6月中に週産5000台を超せるか」だったんだけど、これは6月の最終週に達成。そして第3四半期は単期黒転しないと資金ショートで倒産すると。それで、納車に時間がかかる東海岸の注文を後回しにして、シリコンバレーの工場の駐車場で週末に即売会やっていたくらいクレイジーだった。
奥本:実は私もモデル3をオーダーしていたんだけど、急にテスラから電話がかかってきて「納車できます」と言われたのが、なんと9月の最終週。そして納車されたのが9月29日の土曜日。なんと、上級エンジニアが自ら運転して来てくれた。その彼は、「もう次行かなきゃ」と気もそぞろで、納車マニュアルを読みながらテスラの運転の仕方を解説した後に、そそくさと小切手を受け取って5分ぐらいで去っていったわ。テスラの事情をニュースで読んで知っていたから、握手して、「とにかく頑張ってください。応援してます!」と言って、夫と一緒に手を振って送り出した。
渡辺:6月の末に工場見学に行ったんだけど、モデルSとモデルXの製造ラインは8割ぐらい止まっていて、モデル3は今までの製造ラインとは別に巨大なテントを立ててその中で作っていて、見せてくれなかった。巨額の資金を投下した最新鋭の製造ロボットがうまく使えなかったのがモデル3の製造台数が増やせなかった理由なんだけど、結果的にモデル3は相当手作業で作っているみたいね。インターネットで見たコメントでは「テスラでインターンをしている博士課程の学生だけど、突然工場に駆り出されてボルトを締めて1日が終わった。横でイーロンもボルトを締めていた」なんていうのもあった。そして私が工場見学に行った日は偶然イーロンの誕生日だったんだけど、この日も彼は工場に泊まり込んでいたらしい。見なかったけど。
奥本:インタビューの中で、イーロンが何度も繰り返して「車の会社をオペレーションしていくのはどれだけ大変か」ということを話していた。アメリカの自動車会社の中で倒産していないのはフォードとテスラだけ、次のリセッションではフォードさえどうなるかどうかわからないと言っていたのが印象的だった。やはり、数多くのサプライチェーンをマネージしながら車を生産していくのは本当に大変なことなんだね。
渡辺:ホンダの人は、「テスラの工場なんてそれほど最新鋭ではない。ライン非稼働は製造業の最大の悪で、絶対起こしてはいけない事態」と言っていたけどね。
渡辺:テスラに乗り始めて1年半くらいだけど、アップデートごとにどんどん良くなっている。今回は、特に車線変更が劇的に向上した。「ウインカーを出すと、車のコンピュータが判断して自動的に車線変更する」という仕組みは前から一緒なんだけど、これまでは、ウィンカーを出しても同じスピードで走り続けて、5秒ぐらいの間に車線変更できるタイミングが来なければキャンセルという感じだった。それが新しいバージョンでは、「スピードを落として隣の車線の車の後ろに入る」とか、「車線変更をし始めたところで後ろの車が速すぎると判断、いったん戻り、後ろの車がスピードを落としてくれたら改めて入る」といった本当に人間のような動きができるようになった。あと、カーナビに行き先を入れておくと、車線変更すべきタイミングで変更指示が出て、それを承諾するためにウィンカーを出すと車線変更される、というのもできるようになった。ポッドキャストでもイーロンが「来年には完全な自動運転にする」と言っていて、彼はいつも話が大きいので半分くらいに受け取るにしても、かなり近づいてきた感はある。ただし高速道路だけだけどね。
奥本:法規制に関しては、今のところ無人の自動運転を許可している州は限られるのだけれど、今後は国レベルで決めて行くべきだともイーロンは言っていた。この先自動運転の走行距離がどんどん増えて、その結果自動運転の方が安全だということが実証されたら、法規制の方も変わるんだろうね。https://forbesjapan.com/articles/detail/24014/2/1/1