<視聴率アップ最大化番組制作者起用“視聴者代表”の顔タレント高木美保のコメントが、視聴者のひがみ、ヤッカミ、妬みを買ったか>
<元防衛相の森本敏氏は、空自歴12年以降外交官歴13年経験後大学教職か>
<中谷元・衆議院議員は、陸自歴4年の世襲派議員に属するか>
<小池晃・参議院議員は、関東地区病院11年勤務歴とこの間政治活動歴が豊富か>
<小池晃・参議院議員は、弧状列島の離島診療臨床医の勤務経験無しか>
<金沢工業大学大学院 教授、元海将の伊藤俊幸氏は、海自歴34年か>
<衛藤征士郎衆議院議員は、病院船建造推進議員連盟会長。国会議員歴43年か>
<移動型ライフライン=海上移動病院=費用対効果は平時の離島巡回人間ドック健診、重症患者収容集中治療及び地震津波台風高潮、離島火山噴火等非常災害時兼用=デュアルユース=1日24時間1年365常時運航病院船性能対建造費用試算が必要か>
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実は白熱していた議論!?
議論が行われたのは、衛星放送の報道番組「BSフジLIVE プライムニュース」(平日・20:00)だ。
番組は2月12日、「元防衛相×日本共産党 自衛隊中東派遣の懸念 新型肺炎に私権制限は」を放送した。これが高木のコメントにおける“出典”になる。
番組のMCは反町理・フジテレビ報道局解説委員長(55)と、同局の竹内友佳アナ(31)。この日のゲストは、以下の3人だった。
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【1】元防衛相の森本敏・拓殖大学総長(78)
生年月日出生地出身校前職
1941年3月15日(78歳) |
東京府東京市 |
防衛大学校電気工学専攻 タフツ大学フレッチャー法律外交大学院修士課程 |
航空自衛官 外交官 防衛大臣 防衛大臣政策参与 |
https://ja.wikipedia.org/wiki/森本敏
【2】元防衛相の中谷元・衆議院議員[自民党・高知1区](62)
【2】元防衛相の中谷元・衆議院議員[自民党・高知1区](62)
出生地出身校前職所属政党
高知県高知市 |
防衛大学校本科理工学専攻(24期) |
陸上自衛官 加藤紘一秘書 今井勇秘書 宮澤喜一秘書 |
自由民主党(谷垣グループ) |
https://ja.wikipedia.org/wiki/中谷元
【3】日本共産党書記局長の小池晃・参議院議員[共産党・比例区](59)
【3】日本共産党書記局長の小池晃・参議院議員[共産党・比例区](59)
東京教育大学附属駒場高等学校、東北大学医学部医学科卒業[1]。
大学在学中の1984年(昭和59年)、全国医学生自治会連絡会議(医学連連)委員長として全日本医学生自治会連合(医学連)の再建に努める。
翌1985年、全日本学生自治会総連合(全学連)副委員長、国際部長を務める。
1987年の大学卒業後、健康文化会小豆沢病院、山梨勤労者医療協会甲府共立病院へ就職する
医療法人社団北病院を経て、1997年(平成9年)10月から代々木病院に勤務する。
1998年(平成10年)、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)理事に就任した。
1998年(平成10年)7月、第18回参議院議員通常選挙に日本共産党公認で比例区から出馬し、初当選。
https://ja.wikipedia.org/wiki/小池晃
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森本、中谷両氏が防衛大臣の経験を持ち、小池氏は東北大学の医学部を卒業し、山梨県や東京都の病院に勤務した過去を持っている。3人の経歴を考慮して、番組としては専門的な議論を期待したようなのだ。
果たして本当に、高木が呆れ返るほど低レベルな議論だったのだろうか。この番組はオンエアが終わってから、ダイジェスト版をネット上に無料で公開している。動画を元に、病院船に関する部分だけをご紹介しよう。
竹内友佳アナウンサー(以下、竹内):さて、新型コロナウイルスによる肺炎などの感染症や災害などへの対応に関して、加藤厚労大臣は今日の衆議院予算委員会で、「課題を関係省庁とも探りながら、病院船の配備のあり方を加速的に検討していく必要がある」と述べました。小池さん、この病院船の配備の必要性については、どうお考えでしょうか?
小池晃議員(以下、小池):病院船そのものについては、それは必要性も僕は否定しないんですけれど、今回の事態とはあんまり関係ないんじゃないかというかね、要は今回は病院船ではなくて病院ですよ。だってすでにもう、神奈川県では感染症の受け入れ用のベッドがちょっと飽和状態になっているとかって言うじゃないですか。やっぱりその、こういう事態が起こった時に、病院というのが今、もうベッドギリギリで、ほぼ100パーセント満床みたいな状況で動かしている。余裕がない。こういう、やっぱり事態に対応できない。特に感染症のために。例えば今回、新型コロナの患者が出てきた、今度、民間病院、一般病院でも受け入れるように、なんて言っているけれども、そうすると一定のフロアを全部開放するということをしなきゃいけない。そういうことができる病院って、はっきり言ってないですよ、民間病院に。そういう意味で言うと、今回の事態からすぐに病院船というより、まずは医療機関の体制じゃないですか。
小池:病院船については自民党、公明党の中で色んな検討がされてきたという風に聞いているので、その中に、詳細には承知してないんで、ま、私は何でもかんでも自衛隊の船に結びつけるようなことはね、ではないと思いますので、ドクターヘリの船版みたいなもので考えておられるという風に、ちらっと自民党の方からお聞きしていますけども、そういうようなものを作っていくこと自体は、それはあり得ることなんじゃないかなと。
中谷元議員(以下、中谷):今回はね、邦人の輸送も含めて、防衛省は事態に対応できるように準備はしてます。病院船も今、「とわだ」とか「おおすみ」とか、大型の輸送艦があります。それから話題になった「いずも」ですね、あれも多用途護衛艦なんで、病院の機能も果たせるんですね。今度、改装しますんで……
小池:「いずも」は空母じゃないですか。
森本氏は費用に懸念
中谷:いや、多用途護衛艦ですから、病院船の機能も果たせるんですよ。ですからそういう点で対応は可能になっていますが、問題はお医者さんが足りない、医師が……、ということで、そういう点においてもやはり、医療の体制も整備していく必要があろうかと思います。
竹内:病院船の現状は、こちらです(註:画面を示す)。まずアメリカ海軍は2隻保有していまして、ベッド数は1000床。12の手術室があり、世界最大です。また中国海軍も大型病院船1隻と小型病院船2隻を保有しています。さらにロシア海軍も3隻の病院船を保有しています。ところが一方、日本は医療機能を専門とする病院船は保有していません。ただ、海上自衛隊の輸送艦や補給艦、護衛艦などは医療機能を備えています。森本さんは……
森本敏氏(以下、森本):これは、あの、まず、海軍がこういう船を持っている理由というのは2つあって、1つはこの3つの国って陸地が広いですから、なかなか陸路で患者を多数運ぶということが難しく、かつ、感染性の方を陸路で動かすというのは無理な場合には船で、港でピックアップして、海に出て、感染を防ぎながら……
MC反町理氏(以下、反町):あ、そういうことだったんですか。
森本:医療活動ができるという意味があるので、それぞれの国の海軍が持っている。もう1つは、他国に対する医療災害派遣ですね。特に途上国に行って、例えば途上国の港の沖合で止めて、そしてハッチと言いますか、ボートで運んできて手術をしてまた戻してやるということができるわけですよね。例えば大洪水なんかが起きた時には、アメリカ海軍はよく、そこの沖合に行って、治して、こう戻してやるということができるわけですね。そういう選択ができるので、船に医療の装置を持っているということは非常に便利なんですね。ただ、お医者さんがきちっと揃っていて、経費も相当かかるので、費用対効果というのはかなり無視してやらざるを得ないという問題があって、もっぱらこれらの国は自国というよりか、むしろ途上国の支援のために持って……。
反町:防衛予算枠なんですか、じゃあ? もしかするとODA枠みたいな……やっぱり防衛予算なんですか?
森本:自衛艦として持ったら、これは自衛隊の装備ですから、ODAの条項には入らないので、だから例えば、よく東南アジアなんかで洪水が起きた時には、アメリカは医療船(註:ママ)を送ってきます。日本は間接的に協力したりするんですけど、日本も実はですね、これを持つべきだという議論をしながら、ずいぶんと色んな試算もしたんです。
小池:今回の事態を受けて病院船というのであれば、私は自衛隊の船を作るんじゃなくて、やっぱりその民間のね、病院船を作る、ということであれば理解できますけれども。
中谷:熊本地震の時も、実は民間のフェリー「はくおう」というのをチャーターしまして、待機場所に使ったりしましたけど、自衛隊のOBが運行しているんですね。船員組合との関係でございまして、そういう船が2隻あります。
小池:でも中谷さん、そういうことは今、この議論が始まっている病院船は、自衛隊の船ということを想定しているんですか?
中谷:自衛隊は……
小池:そういう話は聞いてませんけど。
「自衛隊の軍備増強」を懸念する小池議員
中谷:そういうニーズがあれば対応できるということですよ。
小池:いやいやいや、中谷さんの話を聞くと、自衛隊の船として病院船を作ろうという議論?
中谷:そのほうが無駄がないじゃないですか。
小池:そうなってくると、こうね……
反町:運用上の無理がないという意味で仰っている?
中谷:そういう時に自衛隊を活用すればいいじゃないですか。
小池:それは、あの、自衛隊の、この、災害とか感染症を口実にして、自衛隊の軍備を強めることに……。
中谷:誰もそんなこと思っている人いませんよ。
小池:だってそうじゃないですか。
反町:予算の枠内で……。例えば今、年間5兆の防衛予算を、病院船代で新たに追加するんですけど、予算の枠内でやる限り意味においてはOKという意味ですか、それは?
小池:病院船にお金をそういった形で使うのであれば、まずもっとやることがあるでしょう、と。
国際的な感染症対策の国立感染症研究所の予算をね、3分の1も削ると、保健所をどんどん減らすと、病院だってこうね、ぎりぎりで、ベッドが空いていないような状況になっていると、医者そのものも足りないと。だったらそういったところにお金を使うのが、まず最優先なんでなんじゃないですかと。それでなんか、病院船で、しかも自衛隊だって言われるとね、ちょっと話が違いますね。
中谷:いや、いつも自衛隊……。病院船の話、出るんですけど、じゃあ、何もない時どうするか、遊んでいるのかということで、やはり自衛隊の船が、そういうのに対応できるように、【編集部註:聞き取れず】ということできてますので、日頃からそういう訓練もしているし、やっぱり保有していないといざという時、使えませんからね、あの、そういった意味ではしっかりと対応をしつつ、病院船の機能も果たしているということですよね。
番組の引用は、以上だ。3人の議論を「高木さんが指摘するように意味がない」と同意する方も、「想像していたより充実している」と否定する方も、それぞれいらっしゃるだろう。
だが、高木の要約が乱暴で、ミスリードを招く可能性が決して低くないという事実は、やはり否定できないのではないだろうか。
本物の専門家に取材を依頼
それでは、高木のような“芸能人の素人コメンテーター”ではなく本物の専門家は、病院船の議論をどのように受け止めているのだろうか、金沢工業大学虎ノ門大学院教授で元海将の伊藤俊幸氏
海上自衛隊元海将。防衛大学校機械工学科卒業、筑波大学大学院修士課程(地域研究)修了。海上自衛隊で潜水艦乗りとなる。潜水艦はやしお艦長、在米国日本国大使館防衛駐在官、第2潜水隊司令、海上幕僚監部広報室長、情報本部情報官、海上幕僚監部指揮通信情報部長、海上自衛隊第2術科学校長、統合幕僚学校長、海上自衛隊呉地方総監を歴任。
https://www.hmv.co.jp/artist_伊藤俊幸_000000000755051/biography/
に取材を依頼した。
「病院船が必要だという提言は、多くの日本人が理解できるものでしょう。しかしながら実現となると、決してハードルは低くありません。2013年に内閣府が試算を発表しましたが、10の手術台を備え、500人の患者を収容する『総合型病院船』を建造するとなると1隻300億円。2隻だと600億から700億円が必要という試算結果になりました。さらに毎年維持費が2隻で50億と試算されています。災害が起きず稼働しない状態もあるわけですから、広範な有権者の理解を得られるか、なかなか難しいものがあると思います」
ちなみに、最もコストが安いとされた、手術台がゼロ、患者収容数が300人という「慢性期病院船」でも1隻160億円が必要だという。病院船とは相当に高額なのだ。
そのため、共産党の小池議員が番組で主張した「民間が建造して運営も行う病院船」はコストの調達を考えると、かなり困難な事業であることが分かる。現実的に任せられる組織となると、海上自衛隊以外には存在しないというのが正直なところだろう。
「現在、最も実戦経験が豊富なのは米軍で、米海軍は2隻の病院船を稼働させています。ところが負傷兵の輸送手段が豊富になったことなどから、意外に実戦に参加することは少ないのです。現在、米軍の病院船は途上国を中心に寄港し、医療サービスを無償で提供しています。つまりアメリカの外交政策を担っているのです。こういった活動の一つにパシフィックパートナーシップという国際協力プログラムがあり、自衛隊も輸送艦や医官などを毎年2カ月間くらい派遣しています」(同・伊藤教授)
医療施設の充実した護衛官「いずも」をダイヤモンド・プリンセス号の救援にあたるというミッションも、一筋縄ではいかないようだ。
「政府や海自が想定している災害派遣時の医療支援は、外科的なものです。『いずも』には手術室が1室しかありませんから、陸上自衛隊の野外手術システム(車両)を搭載して、地震や津波といった天災などで負傷された国民の治療を行うのです。今回のような感染症への対応は想定しませんでしたし、率直に言って、そもそも海上自衛隊の艦艇が対応する必要があるのかという問題もあります」(同・伊藤教授)
自衛隊なのだから、生物化学兵器への対応は想定している。だが、この場合、「船の中を感染させない」ことが最重要事項となる。
「核兵器も含めたNBC兵器防護の基本は、艦外での除染です。他者に罹患する恐れがある生物兵器で負傷した隊員がいた場合は、一刻も早く陸上自衛隊の特殊武器防護隊に送り届けることが最優先になります。艦内に入れて治療することは想定外です。能力から言えば、護衛艦『いずも』にダイヤモンド・プリンセス号の患者を受け入れ、治療を行うことは可能でしょう。防衛大臣が命ずれば、自衛隊は任務を完遂します。現場が動揺する可能性はありますが、隊員が罹患するリスクと、自衛隊の本来任務への影響との兼ね合いの中、防衛大臣が決断されるべき事案ということなのです。」(同・伊藤教授)
強まる高木美保への批判?
ちなみに、モーニングショーの中で、高木は「日本政府はダイヤモンド・プリンセス号の船長に対し、『健康管理、安全管理をちゃんとしなさい、ってことを誰か言えないものか』と疑問を呈し、これもSNS上で不興を買ってしまった。批判的なツイートの中から、1例を紹介させていただこう。
《船長だってなんとかしたいに決まってんじゃん 高木美保ってホントアホすぎて呆れるわ》(註:引用に際して改行を省略した)
芸能担当記者が言う。
「高木さんの場合、視聴者は彼女の発言内容そのものを問題視しているわけではなさそうです。“視聴者代表”の顔して素朴なコメントを口にするという“スタイル”が、一部のネット民に不評のようですね」
週刊新潮WEB取材班
2020年2月17日 掲載
衛藤征士郎
1941年4月29日 当時日本の統治下であった朝鮮半島南部全羅南道の康津に生まれ、79歳、
自由民主党所属の衆議院議員(12期)、自民党外交調査会長。
衆議院副議長(第64代)、防衛庁長官(第57代)、参議院議員(1期)、大分県玖珠郡玖珠町長(2期)[2]、自民党たばこ議員連盟顧問などを歴任。
https://ja.wikipedia.org/wiki/衛藤征士郎
病院船建造推進議員連盟会長が、その思いを語りました。
―病院船が必要だと思ったいきさつは?
衛藤:1995(H7)年1月に起きた阪神淡路大震災の時からです。あの時、私は衆議院予算委員会の理事をしていましたので震災2日目にヘリコプターをチャーターして現地入りしました。海側にライフラインが集中していた阪神地区は陸路が寸断されて被災者が孤立していた。その時、皆さんの意見を聞いて海上からのアクセスが重要なことを痛感しました。そこで私が座長になって自民党の中に病院船建造のプロジェクトチームを作った。研究会や勉強会を積み上げて、かなりいい線まで行ったんです。しかし、国の財政事情が厳しいという理由で実現しなかった。それから16年目に東日本震災が起こった。以前にも増して病院船が必要だった。大津波で被災地の病院が壊滅的な打撃を受けたからです。そこで、「今度こそ」の思いで病院船建造推進議員連盟を発足させました。超党派の議連にしたのは、ぜひ実現したいからです。極論すると政府が駄目だと言っても病院船特別措置法のようなものを作って議員立法ででも実現しよう、との意気込みからです。
―東日本大震災以降、病院船の建造を推進している超党派の「病院船建造推進議員連盟」の会長に就任した。実現性などを聞いた。(聞き手・弓庭博行編集長)―
衛藤氏は海事発展に尽力する政治家の一人。海事振興議員連盟の会長(2009年~)であり、海事立国推進議員連盟の会長でもある。病院船建造推進議員連盟の会長には2011年の5月に就任した。
衛藤氏は海事発展に尽力する政治家の一人。海事振興議員連盟の会長(2009年~)であり、海事立国推進議員連盟の会長でもある。病院船建造推進議員連盟の会長には2011年の5月に就任した。
―運航は?
衛藤:ドック入りがあるので船は2隻必要です。内閣府が保有し、防衛省が運航すれば良い。海保庁や国土交通省、厚生労働省、外務省、総務省など、色々な役所が関係して来るので窓口を一本化し管理していく必要があります。被災地では沖合に停泊し、防衛省・国交省・海保庁・総務省の無線を束ねて現地の対策司令部として機能します。
―乗組員は?
衛藤:医師や看護師が乗船します。内科・外科・眼科・歯科など相当な数になります。病院船は、さながら「海に浮かぶ総合病院」です。平常時は国際人道支援や日本の離島や過疎の医療に貢献する。
―船価は?
衛藤:2隻で1,000億円。イージス艦1隻分(1,250億円)ぐらいです。