<心身臨床経験と実績が豊かな産業医を尊重できるか>
:::::
奥田 弘美(おくだ・ひろみ)Hiromi Okuda
精神科医・産業医
精神科医(精神保健指定医)・産業医(労働衛生コンサルタント)。1992年山口大学医学部卒。精神科医および都内約20の企業の産業医として、働く人を心と身体の両面からサポートしている。著書は『1分間どこでもマインドフルネス』(日本能率協会マネジメントセンター、2016年)、『心に折り合いをつけてうまいことやる習慣』(共著、すばる舎、2018年)など多数。「日本マインドフルネス普及協会」を立ち上げ、日本人に合ったマインドフルネス瞑想の普及も行っている。
2020/08/12 5:20
精神科医・産業医
精神科医(精神保健指定医)・産業医(労働衛生コンサルタント)。1992年山口大学医学部卒。精神科医および都内約20の企業の産業医として、働く人を心と身体の両面からサポートしている。著書は『1分間どこでもマインドフルネス』(日本能率協会マネジメントセンター、2016年)、『心に折り合いをつけてうまいことやる習慣』(共著、すばる舎、2018年)など多数。「日本マインドフルネス普及協会」を立ち上げ、日本人に合ったマインドフルネス瞑想の普及も行っている。
2020/08/12 5:20
::::::
私がそのように説明するのには根拠があります。
例えばソフトバンクが6月9日に行った大規模な新型コロナウイルス抗体検査において、PCR陽性者の約14倍の人が、抗体を保持していたことがわかっています。新型コロナウィルスに対して抗体を持っているいうことは、当然ながら過去に感染したことを示す証拠です。この抗体検査では被験者4万4066人のうち陽性者数は191人、陽性率は平均0.43%(医療者のみでは1.79%、非医療者だけでは0.23%)でした(ソフトバンクグループ「抗体検査結果速報値等について」6月9日付)。
この陽性率を単純に日本の全人口1億2373万人に当てはめると、53万2000人(非医療者の陽性率だと28万4000人)がすでに新型コロナウイルスに感染していたという計算となります。
一方、日本で今までPCR検査を経て感染が判明した人は、累計でもわずか4万7466人のみ(8月8日現在)です。すでに多数の隠れた感染者がいても不思議ではありません。
「地方と東京は人口密度も感染状況も違うからその抗体陽性率で単純に計算できないのでは」というご意見もあるかと思いますので、東京都のみに当てはめて計算しますと、人口1400万人で抗体陽性率0.43%とすると約6万人、非医療者の抗体陽性率0.23%を適用したとしても約3万人と推計できます。東京都の公表しているPCR検査の累計陽性者数1万5536人(8月8日現在)の約2倍から4倍です。多くの方が知らないうちにコロナに感染して治癒しているということが類推できます。
ちなみに最新のコロナ抗体調査では、ソフトバンク調査より高い数字が出ています。神奈川県・横須賀市が無作為に抽出した2000人の市民を対象として7月3日~15日に調査した結果、検査を受けた964人中10人に抗体があり、抗体保有率は1.04%でした。この抗体保有率を東京都の人口に当てはめると、約14万5000人がすでに感染していることになり、現在判明している陽性者数の約10倍ということになります。