2020/10/14 11:11
菅義偉総理が、新会員候補の任命を拒否したことで大きな注目をあつめている日本学術会議。中国政府が推進する「千人計画」は、そのメンバーを含め日本人研究者も多数参加するプロジェクトだ。
中国政府が2008年に開始した「千人計画」は、海外の優秀な研究者、技術者を誘致することを目的にしている。
米国では「千人計画」に関連する中国へのスパイ容疑での摘発が相次いでおり、知的財産窃取のための計画として世界的に問題視されているのだ。
10月15日発売の週刊新潮では、土井氏と同じく「千人計画」に参加する他の研究者の証言も紹介。なぜ彼らは中国に渡り、怪しげなプロジェクトに参加することになったのか。その実態に迫る。
日本の科学技術が盗まれる可能性も囁かれる、その実態とは。
口を噤む研究者も少なくないなか、“隣国という気安さから新天地を選んだ”と取材に応じてくれたのは、東京大学名誉教授で物理学が専門の土井正男氏(72)だ。
<土井 正男(どい まさお、1948年3月28日[1] -72歳。 )は、日本の物理学者(工学博士)。
愛知県田原町(現在の田原市)出身[2]。専門はソフトマター物理学、レオロジー、計算機材料設計など。北京航空航天大学教授[3]。名古屋大学・東京大学名誉教授。元日本学術会議連携会員[4]。中華人民共和国国務院千人計画に参加[5][6]。
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「現在は北京航空航天大学の教授として、専門のソフトマター物理学を教えています。9年前に北京の理論物理学の研究所に呼ばれて連続講義をした際、知り合った中国の先生から『千人計画』に誘われまして」
土井氏が論文リストを送ったところ、中国政府から招聘を受けることになった。
「東大は辞めても名誉教授という肩書しかくれませんでしたが、北京の大学は東大時代と同じポストで、待遇も少し多いくらい用意してくれました。
普段は学生相手に講義をしなくてもよいし、日本の公的な科学研究費(科研費)にあたる『競争的資金』にもあたりました。私は中国語を書くことができないので、申請書類は准教授が代わりに出してくれました。日本では科研費をどうやって取るのかで皆が汲々としている。そういう意味ではまるで楽園ですね。面倒なことをやらずに学問に没頭できて本当に幸せです」
と喜びを隠さないのだ。とはいえ、土井氏が籍を置く大学は、日本でいうところの防衛大学。軍事研究も盛んと聞けば、自らの研究が悪用される懸念はなかったのか。
よもや日本にそんな技術がありますかね? アメリカや日本が技術的に進んでいて、中国がスパイで盗んでいるという考えは間違いだと思います」
土井氏は自身の研究が中国に盗用されるとはつゆほども考えていない。が、自由に研究させて、利用できるところを吸い上げることこそ、中国当局の狙いではないのか。
10月15日発売の週刊新潮では、土井氏と同じく「千人計画」に参加する他の研究者の証言も紹介。なぜ彼らは中国に渡り、怪しげなプロジェクトに参加することになったのか。その実態に迫る。