<とんかつ・かつ丼 ビジネス=三密回避事業=郊外+店舗売上+テークアウト+デリバリー+自動・無人・低価格化=売上増大か>
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2020年10月27日 05時00分 公開
三ツ井創太郎
大学卒業と同時に東京の飲食企業で料理長や店長などを歴任後、業態開発、FC本部構築などを10年以上経験。その後、船井総研に入社。飲食部門のチームリーダーとして中小企業から大手上場外食チェーンまで幅広いクライアントに対して経営支援を行う。2016年に飲食店に特化したコンサルティング会社である株式会社スリーウェルマネジメント設立。代表コンサルタントとして日本全国の飲食企業に経営支援を行う傍ら、日本フードビジネス経営協会の理事長として店長、幹部育成なども行っている。著書は「飲食店経営 “人の問題"を解決する33の法則」(同文舘出版)
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「かつや」のシェアは60%も!? コロナ禍に負けず、とんかつ・かつ丼市場で圧倒的強さを誇る秘密とは」
〇国内409店舗を展開するかつやのビジネスモデル
(1)郊外:私が訪れたのは、東京都町田市の郊外にあるお店。かつやは全店舗の約90%が郊外にあります。このため、繁華街やビジネス街に展開する飲食企業と違い、ココロナ禍の影響を最小限にとどめることができました。
(2)テークアウト:さらに、同店の駐車場にはテークアウトなどを訴求する「のぼり」が多数立っており、配達用のバイクも準備されていました。
実際、コロナ禍の中でかつやはテークアウトにかなり力を入れてきました。
テレビCMや新聞広告、折り込みチラシなどを活用して認知度アップを図ると同時に、デリバリー実施店舗を176店舗にまで拡大。20年1月には33.9%程度であったテークアウト比率を5月には59.5%にまで引き上げることに成功しています。こうしたテークアウト強化戦略により、5月には客数が対前年比78.2%だった一方で、客単価は124.9%となり、売り上げは97.7%を実現しています。私がお店を訪れたのは午後2時でしたので、ランチのピークタイムを過ぎていましたが、店内は満席の状態で、ウェイティングのお客さまも10人程度いました。私も店内で順番を待っていましたが、その間にもテークアウトや
(3)デリバリーのオーダーが次々に入ってきていました。このように、店内が満席でも売り上げをつくることができるのが、テークアウト&デリバリー店舗の強みです。
店内だけでなくテークアウト&デリバリーという複数のオーダーをこなしていくためには、高い調理オペレーション力が必要となります。しかし、同社ではほぼアルバイトスタッフのみで調理を行っています。
(4)自動・無人・低価格化:このオペレーションを実現しているのがかつや特注のオートフライヤーです。このオートフライヤーは改良を積み重ね、当初は4分近くかかっていた揚げ時間を、現在では2分台にまで短縮することに成功しているそうです(出所:東洋経済オンライン「快進撃『かつや』、安くて早いカツ丼の舞台裏」)。この特注オートフライヤーにより、本来は高い技術が必要なとんかつを揚げる工程の「職人レス」に成功しました。
ロナ禍の影響を最小限にとどめることができました。
(3)自動・無人・低価格化=少子高齢人口減弧状列島日本社会の肝心要技術
では、店内のメニューを見てみましょう。まず感じるのは、その「安さ」です。一般的なとんかつ専門店の価格帯は1200~1500円程度なのに対して、かつやの最下限価格は「カツ丼(梅)」(税別490円)です。そして、メインカテゴリーとなるとんかつ定食も650円~790円の価格帯におさめています。同社の実施したアンケート調査では、実際に同店を利用しているお客さまの79%がかつやのメニューに対して「安い」と答えています。
高いオペレーション能力と安さ、商品力を武器に467店舗を展開するかつやですが、成長の余地はあるのでしょうか?
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2010/27/news011_4.html