関東暮らし

関西人から見た関東暮らしの出来事を記す

《日本玩具博物館》

2012年05月17日 | コラム
#92=3023
2012年5月21日付
《日本玩具博物館》
 全国商工新聞の第8面に連載が続いている「おもちゃの世界」。日本と世界の玩具の成り立ちや地域文化との関わりなどが詳しく解明され読者にも好評です。その連載をお願いしている日本玩具博物館を訪問し、館長の井上重義さんにお話を伺ってきました▼兵庫県のJR姫路駅からローカル線で北へ15分、姫路市香寺町の博物館は、1974年井上さんが自宅の一部を展示館にして出発。以来37年、「個人立」としては例を見ないといわれる充実と発展によって、玩具文化を語るには欠かせない存在となっています。「玩具や人形は単なる遊び道具ではなく、教育・文化・風俗・美的感覚が凝縮した文化遺産であり、大人社会が忘れ去ったものが子どもの世界に残っている」とは井上館長の言葉です▼そして今回改めて感嘆したのは「ちりめん細工」の復興活動でした。着物などに使った縮緬の切り裂きを縫い合わせ、花や動物、人形などを作るのですが、いつしか廃れていました。それを、博物館として研究会を組織し、手引きの出版、講習会などで広め復興したそうです▼その過程で、すでに製造されなくなっていた素材の「明治の二越縮緬」の再現をめざし、丹後の織り元と共同で製品化したという話には、文化と地域産業の展望を見た思いがしました。

〈惣河谷(宝塚)遡行・1984年〉

滝横の岩壁に挑む