関東暮らし

関西人から見た関東暮らしの出来事を記す

2011年3月のコラム

2011年07月12日 | コラム
#37=2968
2011年3月28日付
《災害は弱者にしわよせられる》
 「1000年に一度」といわれても、この悲しみと悲惨さを認めたくない。無念としか言いようがありません▼死に飲み込まれる恐怖をどうやって耐えたのでしょう。九死に一生を得た生存者の方の証言がとどきました▼「地震のあと近所の友人が避難してきたところに津波警報。財布や大切なものを持って2階に上がろうとしたら友人が、『おどげでない(とんでもない)、すぐ上がれ』と言うので、あきらめて上がったところに津波。流されまいと柱にしがみついているうちに、壁もなにもすべて流されたが、奇跡的に家は骨組みだけが残った。周りの家は跡形もなく海原となり、降りることもできず夜になり、真っ暗ななか寒さに凍え、友人と身を寄せ合い、泣きながら朝を待った」(宮城・名取市64歳女性)▼こんな体験を強いられた方が、何十万人も避難生活を続けています。一方で、支援物資が届かない、原発・放射能という人災で2次災害も広がるという理不尽、「津波は天罰」と言い放ったあの都知事のことを考えると怒り心頭です▼災害は常に弱者にしわよせられる。しかし、被災地の民商の人々は直後から、自らの被災を省みず救命・激励で駆け回っています。被災者こそ主人公です。そこからこそ地域の再生が成し遂げられるはずです。

#36=2967
2011年3月21日付
《米軍の本音》
 明け透けに本音丸出しでした。米国務省日本部長(前在沖米総領事)という対日政策の責任者の「沖縄県民はゆすりの名人」との発言ですから、あきれるというより、「いよいよアメリカも切羽詰ってゴマカシもできなくなった」というのが率直な感想です▼もともと米国は「産軍複合体」多国籍企業の利得が羅針盤の国家であり、圧倒的軍事力と他国への侵略的優越感がそれを支えているのですからさもありなんですが。沖縄で性犯罪が起きるたびに司令官は「綱紀粛正」を口にしますが、内心は「ようやく戦場に送れる兵士が出来上がった」と喜んでいるそうです▼EUの自立や中国の台頭、そして「基地はいらない」の沖縄県民の総意を受け、思うようにいかない事態が広がるなかで「本音が出た」のでしょう▼「ゆすりの名人」といった侮蔑は許せるものではありません。その上で注意すべきは、「米国は日本に関して非常によい取引を得ている」という彼の本音、すなわち日本が文句も言わず米軍のための土地とお金を提供している現状を継続したいと切実に思っていることです。国家予算の1割もの海外駐留費用は、財政赤字の大きな要因なのです。いよいよ日本国憲法に基づいて対米従属を整理する時が来たようです。

#35=2966
2011年3月14日付
《春の心は…》
 1日に東京・墨田区の東京スカイツリーが601mに到達し、電波塔としては世界一になりました。さすがに高いもので、直線距離約8㌔の筆者の職場からも、ビル群の間にその上部が見えています。3月中には634mに達し、12月に完成、来春から営業開始。地上デジタル放送の送信だけでなく、オフィスビルや商業ビルも併設しスカイツリータウンとして開業するのだそうです▼完成前から多くの人が見物に訪れています。地元の商店街もにぎやかなようですが、周囲の下町景観・風情にそぐわないとか、最上部に積もった雪が固まって落下する危険、見物客によるゴミのポイ捨てといった、幾つかの懸念も指摘されています。いずれにせよ、せっかくですから、開業後は、地元の中小業者が繁栄できるよう、地域貢献の姿勢でそびえ立ってほしいものです▼ところで、スカイツリー開業とともに、近くの東武鉄道・業平橋駅の名称が「とうきょうスカイツリー駅」に変わるそうです。平安時代の歌人・在原業平(ありわら の なりひら)にちなんだ「業平橋」の地名は全国各地にありますが、少し惜しい気もします▼「世の中に たえて櫻の なかりせば 春の心は のどけからまし」ー最先端技術の結晶であるスカイツリーから、こんな歌は生まれてくるのでしょうか。

#34=2965
2011年3月7日付
《地域の宝》
 「地域振興」が、人間が主人公で、豊かで、持続可能な社会実現へのカギー。これが常識になってきました▼民商・全商連は、中小業者の要求実現の立場から、一貫して主張してきたことですが、小泉「構造改革」などで、格差と貧困が広がり、地域経済のみならず地域社会、家族のきずなまで崩壊してくるなか、地方自治体や市民運動の中からも、地域振興や地域再生を掲げる施策や活動が、住民の共感を得て広がっています▼全国の地方新聞46社と共同通信社は、地方の疲弊を打開する取り組みを紹介・支援する狙いで「地域再生大賞」を創設しましたが、その第1回受賞団体が先ごろ発表されました。大賞はNPO「グランドワーク三島」(静岡)。富士山からの湧水減少で環境が悪化した三島市の水辺再生への取り組みです。準大賞には、母親たちが地域医療を支えようと立ち上がった「県立柏原(かいばら)病院の小児科を守る会」(兵庫)などが選ばれました▼飯田民商が育て上げた「夜の街オリエンテーリング」は、長野県などが主催する「南信州地域づくり大賞」の奨励賞を受賞。地域振興の観点からの地道な取り組みこそ「地域の宝」として尊重される時代です▼中小業者の存在そのものが「宝」であることをもっとアピールしていきたいものです。

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