これまでは朝起きて一番先にすることは洗濯だった。
これからはお供えが最初になった。
まず、お水とお茶をお供えする。
次にご飯を炊いて、(これは炊飯器のスイッチ押すだけ)
おかずの5采を炊く。
シイタケ、高野、人参、インゲン、あげの5品の煮もの。これは日によって変わる。
和え物は白和えをした。具は人参、インゲン、キュウリ。
お味噌汁はあげにお豆腐、ホウレンソウとネギ。
香の物はたくあんにしょうがの甘酢漬け
以上を支度するのに結構時間がかかった。
お供えが終わって洗濯にかかる。
朝食が終わって洗濯物を干す。これが大変なんだ。
立っているだけでウエストから腰にかけて立って居られない程の痛さだ。
この痛さ右だけ、左だけと片方だったのにだいぶ前から両方痛くなった。お尻まで痛い。
こうしてお供えしていても、まだ亭主があの世に逝った実感はない。
現物がないので話しかけることはないが。
亭主は以前意識が定かでなかった頃、
目をあけて「お葬式した」と言う。何方のと聞くと「俺」と自分を指さす。
又、「死んだ」と言う。何方がと聞くと「俺」と自分をさす。
夢を見たんだと思い「お花畑があって綺麗に咲いていたやろ。そこにお母さんがいはったやろ」と言うと「うん」とうなずく。
4年間も患っていたので、死には敏感になっていたと思う。
お寺に入山して自分の戒名を貰い、うさぎちゃんの戒名も貰うと言う。
よく歩けないので自転車でお寺に何度か行っていた。こけないかと心配したがなんとか行けた。
いくらいらないと言っても聞かず、貰ってこれで安心だと言った。
自分のいる間にしておかなくては安心出来なかったらしい。
こんな未来のことでなく、現実の生活を考える人だったらうさぎちゃんも、もっと楽に暮らせたのに。
「結婚したら家族を扶養する」これが欠如した人だった。