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『21世紀の歴史』 その2

2008-10-07 19:16:56 | Weblog
 ワンちゃんの給水直後は、さすがに抵抗があります。



 小沢一郎が風邪をこじらせて入院しました。政治家の健康問題はマスコミタブーのひとつなのでしょう、なかなか本当の事が報道されません。安倍の潰瘍性大腸炎もそうでした。

 小沢に、かねてから心臓に持病があることは周知の事実です。衆議院の解散が先送りされ、選挙モードが長く続くことは、小沢の健康を蝕みます。おそらくそう長くは無いことを本人はわかっているのでしょう。私も本当に最期の闘いになると思っていました。

 しかし、「あっそー」は、焦らし作戦で小沢の消耗を狙っています。もし、今、小沢が動けなくなれば、民主党は選挙前に大混乱に陥ることでしょう。ポスト小沢の想定ができているようには思えません。



 『21世紀の歴史』(ジャック・アタリ著 作品社 2008年刊) その2
 
 さて、ニッポンの未来は・・この国に関する記述から、引用する。(一部要約)

 1980年代、東京は、世界の「中心都市」になるチャンスを逃した。

 『当時の日本には金融力があり、経済はよく統制されていた。また、日本には貧困に対する不安感があり、テクノロジーと工業力があった。しかし実際には、日本には銀行・金融システムの構造問題を解決する能力がなく、また膨張した金融バブルを制御する能力にも欠けていることが、まもなく明らかになった。また、自国通貨である円の大幅な切り上げを回避することも、労働市場の流動化を図ることもできず、サービス部門や「ホワイトカラー」の労働生産性を向上させることもできなかった。特に、日本は世界中からエリートを引き寄せることができなかった。そして、「中心都市」に求められる個人主義を推進することもなく、覇権国であるアメリカの呪縛から逃れることもできなかった。』

 その後、上記のこの国が抱えていた構造的な問題は、米国から強制的に「改革」された。また、下記のとおり、アジアの中でも、この国より他国の方が社会変革を達成しているというイメージを持たれている。
 
 『韓国の映画・連続ドラマ・歌手は「韓流」を形成し、西洋の近代性と東洋の伝統的な価値を融合させることに成功した社会像を、アジアの若年層にアピールした。東洋の伝統的価値とは、いまだに帝国主義の残影を引きずっている日本よりも、韓国にそのモデルを見出すことができる。』

 そして、各国の未来は、以下のように描かれる。

 『中国のGDPは2015年に日本を抜かし、2040年にアメリカと並ぶ。』しかし、『2025年には、いずれにせよ中国共産党の76年間にわたる権力に終止符が打たれるであろう。中国は内乱状態に陥る。』

 『2025年にインドの人口は世界最大の14億人に達し、中国とアメリカに次いで世界第3位の経済大国になる。』

 『アジア最大の勢力となるのは韓国であろう。』

 では、この国の未来は。

 『日本は世界でも有数の経済力を維持し続けるが、人口の高齢化に歯止めがかからず、国の相対的価値は低下し続ける。1,000万人以上の移民を受け入れるか、出生率を再び上昇させなければ、すでに減少しつつある人口は、さらに減少し続ける。』

 『日本を取り巻く状況は、ますます複雑化する。例えば、北朝鮮の軍事問題、韓国製品の台頭、中国の直接投資の拡大などである。このような状況に対し、日本はさらに自衛的・保護主義的路線をとり、核兵器を含めた軍備を増強させながら、必ず軍事的な解決手段に頼るようになる。こうした戦略は、多大なコストがかかる。2025年、日本の経済力は、世界第5位ですらないかもしれない。』

 最後に、ジャック・アタリの「日本語版序文にかえて」では、

 この国が、世界市場の中で「中心都市」になれない理由として、

①既存の産業・不動産から生じる超過利得、官僚周辺の利益を過剰に保護してきた。
②アジアにおいて、平和的で信頼感にあふれた、一体感のある友好的な地域を作り出すことができなかった。港湾や金融市場の開発を怠ってきた。
③ナビゲーター、技術者、研究者、企業家、商人、産業人の育成や招聘を怠ってきた。

 21世紀日本の10課題
①東アジア地域に、調和を重視した環境を作る。
②国内に共同体意識を起こす。
③自由な独創性を育成
④港湾や金融市場を整備
⑤企業の収益性を改善
⑥労働市場の柔軟性をうながす
⑦高齢化を補うため移民を受け入れる
⑧市民に新しい知識を公平に授ける
⑨未来のテクノロジーを習得
⑩地政学的思考を構築し、同盟関係を構築
コメント
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