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『チェ 28歳の革命』

2009-01-10 20:41:21 | Weblog
 『チェ 28歳の革命』(スティーブン・ソダーバーグ監督 ベニチオ・デル・トロ主演 2008年スペイン・アメリカ・フランス作品)

 JRシアター本日封切り作品、チェ・ゲバラを描いた2部作の第1部、31日からは第2部『チェ 39歳 別れの手紙』が引き続いて上映される。

 我らが革命の英雄「チェ・ゲバラ」の映画と言うことで、年末から楽しみにしていた作品。学生時代のチェの南米旅行を描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」があるが、真の革命家としてのチェが登場する。

 映画は、1956年のキューバ上陸から1959首都ハバナ制圧までを坦々と描く。カストロ、ゲバラの革命軍が農村を根拠地として武装闘争を経ながら少しづつ勢力を大きくし、最後にはキューバ革命を達成する。

 その間、命を落とす同志もたくさんいるが、映画では涙も友情も無くただ革命と言う目的達成のため全てが注がれる。問われるのは、「祖国か、死か」だけである。「銃から革命が生まれる」のである。

 観客としてこの映画からヒューマンな感動を得ようとすると肩透かしをくらうであろう。それは、リアルな革命の実態が表現されるのみだから。


 私などは、かっこいいゲバラの姿にアジア的な顔の毛沢東を重ねてしまう。アジアで農村を根拠地にして都市に攻め上がり丁度10年前の1949年に軍事革命を成し遂げたのが毛沢東、革命戦略は全く同じ武装蜂起。

 それを、この国で同様にやろうとしたのが1972年の連合赤軍、群馬県の山中に根拠地を構え、首都を制圧、それをゲバラのように人々が歓喜で迎えてくれるという夢は全く無残に散り、その後のこの国の左翼運動に与えた影響は致命的。

 さて、時空は現代に飛び、資本主義の矛盾が露呈している今、さて我々はどんな革命を夢想したらよいか。

 第2部「チェ 39歳 別れの手紙」では、キューバのカストロに別れの手紙を出したゲバラは、再び南米の革命のため銃を持つ。そして、最後はボリビアの山中で絶望的な死。観なければ。




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