晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『チェ 39歳別れの手紙』

2009-01-31 17:19:54 | Weblog
『チェ 39歳別れの手紙』(スティーブン・ソダーバーグ監督 ベニチオ・デル・トロ主演 2008年スペイン・アメリカ・フランス作品)

 JRシアター本日封切り作品、チェ・ゲバラを描いた2部作の第2部、第1部『チェ 28歳の革命』続いて上映された。観客の年代は、概ね50代から60歳代、これから革命を実践できるとはとても思えない人々。

 第1部は、カストロやゲバラらの革命軍がキューバに上陸後、人民を組織化しながら首都を制圧するまでを描いた。全てが革命に向かって動いた奇跡的成功ドラマである。

 しかし、ゲバラは、革命後のキューバ政府の要職に付いたが、それを良しとせず、引き続き南米の圧制と戦うことを決意、カストロに別れの手紙を出す。

 第2部は、ボリビアが舞台、第1部とは全く情況が異なり、地元共産党もゲバラらの武装闘争を支持せず、孤立。人民(山岳の農民)も結局ゲバラを裏切っていく。

 抑圧された人民を救うという大義が人民に理解されず革命は失敗、最後はゲバラの死。


 私には、どうしてもこの映画と連合赤軍が重なってしまう。それぞれの国や地域で革命の条件が違うが、銃を持ち、山岳ベースを築き、人民の支持を増やし、都市を包囲しようという戦術は同じ。結果的に孤立して、破滅的な末路も同じ。

 それにしても、人民(国民、市民、労働者階級)とやらは、全くといってどうしようもない存在であるという、あたりまえのことが革命家には理解できないのである。

 土地(や会社でも同じ)に根っこの生えた人民の心はどれほど貧しく虐げられていても、簡単には「革命」なんかの言葉に付いては来ない。それは、共産党がいくら旗を振っても、現状を変える方向に動くことはない。

 この、人間の中心部にある徹底的な保守、変化に対して否定的に防御する本能、その克服はあらゆる変革にとって最も肝心な「戦略」だと考える。

 

 

 
 
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