夏場の公園と何ら変わらぬ光景が広がっていた。
バラは初夏に見頃を迎える花だと思い込んでいた為、秋のバラ公園は貧相な、
…例えば夏の賑わいがAKB48だとすると、
再結成したSpeed的な物悲しい様子を想像していた。
しかも「本日のメインボーカルはHitoe's 57 moveが勤めます。」みたいなトホホさ加減で。
実際に目にした公園は、
ノーランズにアラベスクが合流し、ランナウェイズが乱入したかのような騒々しさだった。
誰が解るというのだ、この例えで。
枯れかけの花が目立つものの“秋のバラ祭り”が開催出来そうな開花状況に反し、
園内にある人影は、「この道一筋50年」な感じで農薬をまきまくる老人が一人だけ。
「そうか、爺さんが本日のヒトエちゃんなんだな、アディオス！」、と心の中でだけ声をかけ、
やや大げさなアクションでカメラを構えた。バッテリー切れのマークが点滅していた。
再び逢引中の方々に軽く睨まれながら、車に積んであった予備電池と交換し、
三度睨まれながら公園に戻った。 邪魔したな、アディオス！
つづく。
