友チョコ作りの会・後編

【続き】　れた。

供給側は、放っておいても売れ、やがて煽っても売れなくなった『義理チョコ』にサッサと見切りをつけ、
『友チョコ』『逆チョコ』『ご褒美チョコ』などの新たな金脈探しに必死のようである。
そんな風潮の一環なのであろうか、
今年はどこのチョコ売り場をみてもかなりのスペースを『手作りキット／パーツコーナー』に充てていたように思う。

大人の事情にまんまと乗せられた小学生女児ズは、
パッケージングされた小奇麗なチョコの何倍もの費用をかけ、友チョコ作りの会をスタートさせた。

で、経過をすっ飛ばし結論だけ書くと、
いくつかのデコラティブなチョコとダダイズムなトリュフ、危険な感じの生チョコが完成した。

前者2つはなんとか食用レベルを保っていたものの、
足さなくて良い油脂分（無塩バター＆生クリーム）を大量に添加し制作された“自称生チョコ”は、
誰の目から見ても立派な“生レバー／生肉風味”の物体として完成された。

ハートの型に流し込み、固まる前に型を外してしまったが故、リアルにカタチの崩れた“ハツ”になった自称生チョコ。
所々白い油脂分が浮き出た非常にリアルな生肉のソレには、さすがに誰も手をつけなかった。

 

数年先、本命チョコをつくる時が来ると思うのだが、生チョコだけはヤメておいた方が幸せになれると思うぞ、女児ズ。　【完】