教育落書き帳

教育とは何か…子どもの視点を尊重し、親、伴走者、市民の立場から語ります。子どもを語ることは未来への信頼と希望を語ること。

劇画『はだしのゲン』を無料鑑賞しよう!--原爆の正しい理解の一助として

2013年08月18日 | 日本の教育
◎この夏休みを機会に、このブログ『教育落書き帳』の性格を少し変えようかなと思っている。
 今まではほとんど不定期な形でアップして来たが、今後はまるべく多く、少なくとも週に一度程度は必ずアップするという形でやっていきたいと思う。


▼その第一弾として、まず、世界的にも知られる故・中沢啓治氏原作の劇画『はだしのゲン』が島根県松江市の教育委員会から市内の全市立小中学校で閲覧規制がかかった問題を取り上げ合いと思う。

(アニメ『はだしのゲン』から)

▼8月16日付のマスコミの報道によると、島根県松江市の教育委員会が、原爆投下時の広島を描いた漫画『はだしのゲン』に対して子ども自身が自由に閲覧できない「閉架」の措置を取るよう松江市内の全市立小中学校に要求したという。
 その理由として市教委は、旧日本軍がアジア人の首をはねたり、女性を乱暴したりする場面があることをある市議から指摘され、暴力描写が過激過ぎると自主判断したらしい。しかし、作者自身が生前語っていたところでは、それは子ども向けに作者が実際の残虐さを弱めて表現してあるという。

▼原爆投下から既に68年がたち、被爆者の平均年齢は78歳を超える。当事者から被曝の体験を聞ける機会が年々少なくなっている。その意味でもこの作品は子ども達に戦争体験をバトンタッチする重要な役割を持つと言える。

▼広島の平和記念式典で広島市の松井一実市長は「無差別に罪もない多くの市民の命を奪い、人々の人生を一変させ、また、終生にわたり心身を苛み続ける原爆は、非人道兵器の極みであり、『絶対悪』です。」と述べた。正にそのような思いが作品には描かれている。

▼生前、作者中沢啓治さんは、出来るだけ多くの子ども達に読んでほしい願い、『はだしのゲン』の著作権の対価を求めることなく翻訳を認めた。その結果、『はだしのゲン』に共感した日本や海外の読者がボランティアで翻訳を行い、今や原爆マンガの古典として様々な言語に翻訳されて広く海外でも読まれるようになった。全編が英訳された最初の日本漫画でもあるという。

今回の松山市教育委員会の措置は、こういう世界の動向にも、国際化を目指す教育にも逆行するものだ
 幸か不幸か、そういう一市教委の要求とは裏腹に、かえってそれが刺激となってか、今までは手にしたことがなかった子ども達まで読み始めている。英訳の10巻本が飛ぶように売れているとか。
 昔の為政者が行ったように(ヒトラーもそうだった)焚書すれば国民の耳目を塞げる時代は終わった。むしろ火に油を注ぐことになろう。それが健全な国民意識の作用というものだろう。その意味では、今回の松山市議の時代錯誤的半教育的な行動は、逆に原爆に対する国民の意識を高める起爆剤になったのではないかと思っている。

※なお『はだしのゲン』の動画は、現在、無料で動画GyaO!で見られるようになっている。夏休みの原爆学習として観てみることをお勧めする。
それこそが現在もなお放射能汚染下で苦しみながら生活を続けている福島の人達と繋がることにもなるだろう。そこで日夜作業している人達もいる。
 ちなみに原爆で苦しんでいるのは今や日本人だけでなく原発の燃料製造や管理に携わっている多くの人達の問題でもある。

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