久しぶりのブログは何をネタにしようかと思ってみましたが、やはりこれしかないかなと思い綴ってみることにします。
先日弊社で発表した10cm屈折鏡筒 GTM100/1000APO(仮称)ですが、発表後からいろいろお問い合わせをいただき反響の大きさを改めて感じています。
さて、この望遠鏡の試作機は対物レンズが未コートながら既にできており、光学テストまではしていましたが冬季ということもあり実際に天体を見ることはしていませんでした。
幸い今週に入ってから春のような温かさになる日もあったので、実際に天体見てみることにしました。
昼は南中している太陽から、減光フィルターを装着して40倍で全景を見るとシーイングも良く、数か所の黒点群・白斑・粒状斑がはっきり見えました。低倍率でここまで見えるのですから感触は良さそうです。続いて黒点のアップをと思い、111倍で見るとさすがに大気による揺らぎがありますが、黒点群の細かい様子やひび割れたような白斑、粒状斑も良くわかりした。口径が10cmあると太陽観測もより楽しめそうです。
その後、夜を迎えたところで月齢10の月に鏡筒を向けました。56倍で全景を見るとまぶしいながらもシャープな月が目に飛び込んできます。月はこれまで何度も見ていますが全景を見るのが一番きれいです。しかし高倍率での見え方は確かめないといけないので200倍で月面を見ていきます。おなじみのクラビウス・コペルニクス・ティコをはじめとしたクレーターがシャープに目に飛び込んで来ます。
続いて木星も見ていきます。200倍で見ると大赤斑とその脇のディテールや縞模様のうねりが確認できました。木星になるとより大口径の方が観測には良いとは思いますが口径10cmで見る木星も捨てたものではありません。
最後にカペラを見たのですがこの時にはシーイングがやや悪化しちらつきは大きくなりましたが回折リングは見えています。恒星像についてはこれから条件は良くなると思うので引き続き確認するつもりですが所定の性能は出ているようでホッとしています。(kon)
画像上:GTM100/1000APO試作機
画像下:試作機とコンパクトデジカメで撮影した月