第58回県吹奏楽コンクール(県吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は最終日の7日、大和高田市のさざんかホールで中学校J、高校J、高校小編成、職場・一般の部があった。高校小編成の部は奈良育英と天理第二部、職場・一般の部はセントシンディアンサンブルとM’s Sound Factoryが代表校・団体に選ばれた。職場・一般の2団体は21日、高校小編成の2校は22日に和歌山市和歌山県民文化会館である関西吹奏楽コンクールに出場する。(青山祥子、浜田綾)

 奈良育英の「公慶の悲願~東大寺大仏殿、再建への道」は2011年に初演した創部50周年記念の委嘱作品。江戸時代の高僧の生涯を描き、「子どもの頃に雨ざらしの大仏を見た公慶さんの思いを想像してドラマチックに表現した」と部長の南莉央さん(3年)。

 天理第二部は喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクションを披露。少ない練習時間に集中してハーモニーを強化。もとはオペレッタだが、「主人公の女性が子ども時代を回想するなど物語を自分たちでつくって曲をイメージしました」と部長の平山浩香さん(4年)。

 セントシンディアンサンブルはバーンズの「交響曲第3番」を演奏。作曲家の心に触れたいという思いで練習に励んだ。指揮をした代表の福島秀行さん(49)は「曲にのめりこんで一生懸命に演奏する団員の姿に本番は泣きそうでした」。

 M’s Sound Factoryは歌劇「ラ・ボエーム」を情感豊かに奏でた。オペラの映像を見たり公演を聴きに行ったりして曲の雰囲気をつかんだ。団長の島田昌登さん(44)は「室内楽的要素があり、歌の表現が多い作品。しっとりと歌い上げるように心がけました」と話した。

     ◇

 中学校J【金賞】畝傍▽八木【銀賞】香芝北▽天理▽田原本▽天理西▽橿原

 高校J【金賞】一条▽登美ケ丘▽高円▽天理▽郡山【銀賞】平城▽高田

 高校小編成【金賞】添上▽榛生昇陽▽西大和学園▽法隆寺国際▽奈良育英▽天理第二部▽クラーク記念国際【銀賞】桜井▽奈良情報商業▽磯城野▽大淀・二階堂・大和広陵・山辺▽奈良大付属▽奈良朱雀

     ◇

 職場・一般【金賞】シンフォニックホーム▽A-Winds奈良アマチュアウィンドオーケストラ▽セントシンディアンサンブル▽奈良市吹奏楽団▽M’s Sound Factory【銀賞】ENSEMBLE G-CLEF▽遊楽民Plus&Next▽奈良ウィンドコンサートファミリー▽Y.S.K.シンフォニックアンサンブル