リオデジャネイロ五輪の柔道男子73キロ級で金メダルに輝いた大野将平選手(24)。9日午前5時を過ぎてからの決勝となったが、天理市産業振興館のパブリックビューイング会場には大勢の市民が詰めかけ、喜びをはじけさせた。

 天理大人間学部4年の大佐古一臣(かずたか)さんは「誇りに思います。自分のスタイルを貫き通しての金メダル。かっこよかったです」。国際学部4年の迫野宗都さんは「みんなで喜びを分かち合えました」と話した。

 天理大体育学部の松本範子准教授(45)は在学中の大野選手にスポーツ栄養学を教えた。「世界大会で忙しい中でも、できる限り勉強してくれた」と振り返る。「すごい選手。プレッシャーのかかる舞台で、よく最後まで戦ってくれました」とたたえた。

 ログイン前の続き大野選手が教育実習に行った天理中学の柔道部監督、古賀正成さん(47)も駆けつけた。大野選手が全校生徒を前に、「昔は体が小さくて弱かった」と切り出した姿を覚えている。練習で投げられてばかりで、逃げ帰りたいと思うこともしばしばあったというエピソードを披露。それでも逃げずに、人の2倍も3倍も努力したという。

 「諦めなければ夢はかなうことを体現している」と古賀さん。「金メダルをとったらあいさつに来たい」と言っていた大野選手との再会を心待ちにしている。