私の眼病「加齢黄斑変性」の治療はてこずっているらしい。古典的な治療のレーザー光線により眼底出血の消去には失敗した様だ。一時的には回復したが再び出血したらしい。そこで担当医の説得で眼玉に注射して、昨年6月に保険適用になった新薬注入で治療する事になった。目玉に注射と聞いて弱虫の爺は逃げていたのだった。
この治療は3回に分けて、一月に1回治療して今月が2回目、来月に3回目を行って一応終わる事になるらしい。然し、治るとは限らないらしい、やはり運がよければ回復するが現状を維持する事はできるそうだ。先月の治療は目玉注射が怖くて構えていたら、いつの間にか終わっていた。今月の検診では順調に回復しているらしい。少し視界が広がったような気もしてきた。然し視力は0,1と相変わらず視力検査表の一段目が読める程度であった。 今回も前回と同じ方法と聞いていたが、看護師さんは男性であった、最初はドクターが代わったのかと思っていたがそうではなかった。前回は「痛くないですよ」「眼の消毒で少ししみますが、」といわれているうちに終わっていた。然し今回はそうではなかった、注射の針が迫ってくるのも見えた。そして痛かった。
看護師さんの所為ではないだろうが、意外と視力が回復したのかもしれない。
16日の10時に入院の手続きをとって前回同様201号室に入って、昼飯を頂き1時に治療開始になった。感染予防をかねての1泊入院だった。病室には同じ年配で同病の患者が二人居られた。いずれも3回目と仕上げの治療との事であった。
食事は糖尿病食Aと記入されていた。どうやら最初の入院の時、内科の担当医から連絡が有ったらしい。薄味の見るからに不味そうであった。食後2時間の血糖値は140で自分では予備軍程度と思っていたが、一緒に食事をしたバア様は「これが健康食だ、これからは私の料理に文句を云ってはいけません」と釘を刺されてる結果になった。
病院は熊本駅の近くだったので、電車の音・バスの音・それに救急車やパトカーのサイレンの音に山鹿の遺跡公園の中での生活とは違う音に興奮を感じながら一晩を過ごした。そして17日の10時に検診を受けた。治療は順調に済んだそうである。視力は0,2に上がっていたし、手のひらを左眼だけで見ると親指と小指ははっきり見えた。然し、中の3本は残念ながら未だ見えない。
そして11時に退院の許可が出て、車を運転しながら上熊本経由で植木に出てお昼には家に帰りついた。途中、北部でフライドチキンを4ピース買って帰った。あの病院食の反動か、我慢できなかったからだった。然し、何だか視界は随分広がったような気がする。ひょっとしたら3回目の治療で、期待出来そうな気がしてきた。どちらにせよ、加齢が原因とは困った病で、寂しさを感じた1泊入院であった。