「日本の絆 色あせた」元米紙記者
が警鐘
【ワシントン=柿内公輔】米紙ワシントン・ポストは11日までに、「昨年の悲劇は日本を停滞から目覚めさせるのに失敗した」と題した元同紙東京特派員の寄稿を掲載し、自治体ががれき受け入れを拒否している問題に触れ、東日本大震災直後に世界から称賛された日本国民の連帯意識が失われかけていると警鐘を鳴らした。
筆者は神奈川県鎌倉市在住のポール・ブルスタイン氏で、震災から1年の節目を「この国の見通しがほとんど変わらなかったとつくづく考えさせられる、なんとも気がめいる機会だ」と表現。過去の日本なら災害や危機を糧として再生に向かうはずなのに「もがいている」と苦言を呈した。
同氏は、「東北の人々に国民は同情と支援を惜しまず、それは『絆』という言葉に要約された」としながら、「その精神は色あせた」と断言。被災地のがれき処理問題について、「私の住む近くの街では、放射性物質が検出されなくても、地元の農業や漁業従事者が『風評被害』に悩まされる、といって当局が受け入れを拒否した」と疑問を投げかけた。
あの日から丸一年経って3月11には各テレビ局は現在の様子をレポートしていた。半世紀前住んでいた時、政令都市になった北九州市の市会議員が議会で震災の瓦礫を受け入れを決議した。然し傍聴席から反対の怒号が聞こえた。我が熊本は知事選挙の最中でこの問題に対する意見は私の耳には届かない。
天皇陛下が心臓の手術後数日しか経っていないのに慰霊祭に参加されたのも「日本人の絆」を懸念されての事だったのではなかろうかと私なりに心が痛んだ。
昨夜も我が家は休田から摘んで来たセリ・ノビール・蕗の塔をてんぷらやお浸しを「春は美味しい」と食べている。東北は今日も吹雪いているそうだ。