心のままに・・・

実体験をもとに小説仕立てでお話を書いています。
時々ひとりごとも…

星屑の涙・・・3

2013-06-22 11:07:23 | 星屑の涙

ある日 私は一人でなじみの店へ向かっていた

大きな交差点の向こう側から歩いてきたのは

達也とその妻である美咲 そして娘であろう高校生くらいの少女の3人だった

私は素知らぬ顔で通り過ぎ しばらくして振り向いた

娘が何やら楽しそうな顔で、達也に腕をからませながら笑っていた

美咲も二人と並んで楽しそうに歩いていた

私は、達也の少しだけひきつったような顔を見逃しはしなかった






「どこから見ても幸せそうな家族よね

上手くいってないなんて、無理して言わなくてもいいのに・・・

そう言えば、奥さま私の顔はご存じないのね?」

そう言った私に、なんとも情けない男は

「だから・・・そんな事言うなよ、あれは仕方がなかったんだ

あの日は娘の誕生日だったから、プレゼントをねだられて

ティファニーだぜ? 今どきの高校生はすごいものを欲しがる」

「ふふふ、でもやさしいパパは買ってあげたんでしょ?ティファニーを」

「う・・・そうさ、シルバーのネックレス ったく高くついて仕方ないぜ」

「かわいいもんじゃないの、それくらい買ってあげなさいよ

で? 奥さまにも何かねだられたとか・・・?」

「おい、真理子 お前やけに楽しそうだな? 何だかおれが苦しいことを楽しんでやしないか?」

「あら・・・? そうかしら? いいえ、そんなつもりはないわ」

「おまえさんのように金持ちのお嬢さんにはわかんないだろうな」

「いやね・・それは言わないでよ

まぁ、いずれにしても私には関係の無いことだわ」




いつでもそうだった

どの男にも敢えて深く関わらないようにしてきた


でも、達也との関係はそれまでの男たちとは

少しだけ違うものだった