いつになく忙しかった
自分の体調不良に苛々していた
好きなお酒も飲みたくなかった
達也との別れでこんなにも自分の気持ちが不安定になるなんて
正直思ってもみなかった
本気になんてなるはずもない
なれる相手でもなかったし、
亮介以外に心を動かす人などあり得ないと思っていた
そんな自分を認めたくなくて自分に腹が立っていた
情けない・・・考えたくなかった
そんな時、神戸に暮らす祖母から手紙が来た
久しぶりに遊びに来ないかと言う内容だった
祖母は年に1、2度手紙をよこす
内容は他愛もない事だがこの筆まめな姿には
いつもながら頭が下がる
モヤモヤした気持ちを紛らわせたくて、週末神戸へ行くことにした
母方の祖母は相変わらず若々しい
10代の頃に母を産み、母も比較的若い頃に私たちを産んだので
私と祖母が親子だと思う人もいるかもしれない
そして何より鋭い感性の持ち主だった
私をみるなり「あら、真理子ちゃん
ひどい顔してるねぇ、最近男の人と揉めたのと違う?」
「おばあさまには隠し事ができないね
揉めたと言うのはちょっと違うけど
そうともいえるのかな・・・」
「でも、ひどい顔はそれだけが原因じゃないね
思い当たることがあるやろ?」
祖母の言葉に驚いたが
やはり確かめなくてはいけない事なのだと
この時はっきりした