穏やかに…シニアブログ

日常・民話など

むかしっこ・角助堤の河童

2023-09-15 09:54:30 | 昔っこ・民話

昔 角助堤にいたずら好きの 河童が住んでいたという。カッパはジュンサイ採りの舟や

馬の体を洗う村人、水遊びする子どもたちを おぼれさせるなど 角助堤に来る人達を困らせていた。

あまりのいたずらに 耐えかねた一人の村人が カッパを捕まえ、こらしめてやろうと思いたった。

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村人は堤の岸辺の葦に 身を隠しバシャバシャと 子どもたちの水遊びのような 音を立て

カッパがやってくるのを じっと待ち続けた。 水の上に目だけ出したカッパが、キョロキョロ周りを

うかがいながら、音の方へやって来た。 村人は慎重に浅い所までおびき寄せ 持っていた棒で

カッパの頭の皿をピシャリ。突然頭をたたかれた河童は、皿の水がこぼれて、すっかりのびてしまった。

村人は荒縄で カッパをグルグル巻きにし、

 

「こら!いたずらカッパ。村さつれで行って みんなでこらしめてやる!」と 引っ張って行こうとした。

「悪がった。なんとかごめんしてけれ。おれ一人ぼっちだったので、遊ぶ友達がほしくてよぉ・・・ごめんしてけれ」

カッパは涙を流しながら、土下座してあやまった。

「ともだちがほしいって いいながら 子どもの足を引っ張ったりするもんだから だれも来なくなったんだ。

 悪さをすれば 誰も来なくなってしまう!!」と 村人はいった。

「でも、おれどご見れば みんな逃げてしまう。どうしたらいいべ」

カッパは泣きながら 村人にたずねた。 「どうしたら好かれるか 考えてみれ」と村人

「もう絶対に悪いごどしねぇ。それに溺れそうな人が居たら かならず助ける。うそじゃねぇ。」

と 河童はいった。情け深い村人は、縄をといて河童を堤に返してやった。 

その後 角助堤では、誰も溺れる人がいなくなったそうな。(旧山本群に伝わるはなし)

とっぴんぱらりのぷう・・・

 

                    

朝顔が、まだ咲いています。どんどん高く延び、換気口そば屋根下で咲いてます(左側) ☝これはこぼれ種が

下に咲いてます。毎朝外を見るのが楽しみ(^^♪                                                 

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昔っこ・夢買い長者

2023-08-02 16:46:19 | 昔っこ・民話

日常・昔っこ・民話のブログなのに 最近 昔っこをさぼってました💦

「夢で見たことが 現実になる・・・このお話は、鉱山で栄えた町に伝わる昔っこです」

            「夢買い長者」

昔、旅の男がふたりで歩いてました。ある日 ふたりは木蔭で寝ころび、昼寝をしました。

ぐっすり寝てまた歩き始めると 年上の男があたりを見回して言いました。

「ああ、ここだ、ここだ」 「何のことだ?」と若い男がたずねると 年上の男が

「さっき昼寝をしたとき、夢を見た、その景色とここらの沢の景色は そっくりだ。不思議な事もあるもんだ。」

と言いました。「どんな夢なんだ?」と若い男が聞くと「小豆餅を食べながら 凧をあげている夢だ」

と、年上の男は言いました。 若い男は立ち止まって あたりの景色を眺め、しばらく考え込みました。

 

そして、「どうだ?その夢を俺に売らないか」と言い出しました。

年上の男は驚いて「夢なんか買ってどうする気だ。なんぼで買う?」とたずねました。

若い男は「米一俵で買おう」と言って ふたりの話がまとまりました。

年上の男は、「夢なんか買ってバカでないか」と思い 若い男の気が変わらないうちにと

大急ぎで出発しました。 若い男は、年上の男を見送ると、人を集めてあたりを掘り始めました。

「直利だ!直利(なおり)にあたったぞ!」 そう大声が上がると、村中が大騒ぎになりました。

掘り進めると、小豆餅のように鉱石が入っている、大きな鉱脈にぶつかったのです。

寂しかった村に、鉱山が開けました。村はみるみるにぎやかになりました。年上の男から

夢を買い。鉱山を掘り当てた若い男は、やがて長者様になりました。

参考資料:瀬川拓男:松任谷美代子編:「日本の民話10 秋田の民話」(未来社)

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秋田県は、けっこう鉱山が、あちこちにありました(16か所ほど)

金山は少しで、おもに銀山・銅山です。平賀源内が鉱山の指導に来たと言われてますが・・・  

西木村の真冬の行事「紙風船上げ」も 平賀源内が考案したそうです。

  👇 2020年真冬に 見に行った時の紙風船です。

  

 風船の中に、布に油をしみ込ませたタンポンが付いてます。タンポンに火を点け、

 ガスバーナーで 風船内を温めて パンパンに膨らんだ時に手を離すと ふわりふわりと空へ・・・

 それは、それは幻想的です。高く上がった紙風船は冬蛍ともいわれてます。(和紙で出来ています)

 

今朝朝顔が15個咲き、毎朝花を数えるのが楽しみ(^^♪ 

水没したのですが生き延びて、花を咲かせ元気をもらえます。

 

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昔っこ・さんきちさん

2023-04-30 19:07:45 | 昔っこ・民話

秋田の昔っこ「さんきちさん」

秋田市の太平山は、古くから「さんきちさん」の愛称で親しまれてきました。

坂上田村麻呂、蝦夷討伐の際、戦勝を祈願して建立したといわれる神社です。

修験の山としての太平山信仰と、力の神・勝負の神である 三吉信仰が相まって、勝利成功

事業繁栄の守護神と知られています。 三吉さんには、このようなお話が語られています。

秋田駅東口からの展望 秋田市のシンボル 太平山 ↑ 

 

秋田の三吉さんは、その昔 一国の主として大きなお城に住んでいたといわれてます。

生まれた時から力持ちの三吉さんは、いつもお城の家来ばかりを集めて 相撲ばかりとってました。

ある春の日のこと。お城の周りには桜が咲いていました。三吉さんも 家来たちも丸裸にになって

お城の庭で 花見相撲を始めました。

大男の三吉さんが、しこを踏むと桜の花は雪のように はらはらと散りました。

相撲に疲れると、三吉さんは4尺6寸の長い長いキセルを出して ぷかぷかと一服してました。

 

 ところがその時、お城の裏山でときの声が上がりました。隣の国から大軍が押し寄せてきました。

三吉さんもお城の家来たちも、丸裸です。鎧兜に身を固める暇もなく 刀や弓矢を採る暇もなく

お城はたちまち敵に攻め落とされてしまいました。

三吉さんは丸裸のまま、長キセルをかついで逃げました。山から山を越えていくと 

たくさんの大きな熊が襲ってきました。三吉さんは腰を下ろし、長キセルを取り出して

ぷかぷかとふかしました。すると熊は煙に参ってよろよろになり そこを三吉さんは得意の相撲で

投げ倒しました。三吉さんはどんどん逃げて 秋田市の太平山迄やってきました。

 

三吉さんは太平山がとても気に入り、やがて秋田の守り神になりました。

秋田の人も三吉さんが気に入って 大きな飯ベラを作ってあげたり、大きな杯をあげたりしました。

三吉さんは喜んで、マタギが山で苦しんでいる時や、農家が水で難儀をしている時などに

出てきては、みんなを助けてあげたということです。

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むかしっこ うばっ皮の嫁

2023-03-25 18:13:13 | 昔っこ・民話

昔々 あるところさ とど(父)と、3人の娘こがおったと。 とどな上方さお参りに出かけることに

なったど。    にぎりまま🍙いっぱい握ってもらい それをしょって(背負い)出かけたと。

したばよ、とど(父)山さ さしかかったらよ、蛇が大きなカエルを飲みこもうとしていた。

上方にお参りに行くとどは、だまって飲み込まれるのを、みていられない・

なんとかして助けてやりたいと、思ったと。「蛇・へび そのビッキを助けてやってけれ。

おらとこに娘こ3人いるから、一人嫁こにけるがらよ。」

とどは、そう言ったと。それを聞いたヘビは喜んで「ほんとだべな」そう言ってカエルをはなして

山に入って行った。とど、そのまま上方さお参りして、家さ戻って来たら、なんと@@ 立派な男が

嫁こもらいに来ていた。これは蛇に違いない。蛇はなんにでも化けるから きっと蛇だ。

 

困ったことになってしまった。とどは 3人の娘を呼んで、初めに1番上の娘に願ってみたど。

したども「蛇の嫁こなの えがねんし(行かない)」あっさり断ったど。2番目の娘もだめだったと。

3番目の娘は、「とどが病気になったらいけないので、おら えぐんし(行きます」

それを聞いたとど、「おめえの好きなもの なんでも買ってやるから 言ってみれ」

「おらぁ、蛇の嫁になるから 何もえらねんし」3番目の娘はしばらく考えて

「んだば、ふくべ(瓢箪)千個と、針千本買ってけれ」といったと。

 

ヘビは立派な男に化けて 嫁こ迎えに来たと。それで、男さついて行ったら 山の方さどんどんえったど。

大きな沼があって そこで男は止まったど。「ここは俺の住んでいるところだ。中さ入れ」

男はそう言って、自分から沼さ入っていった。

「とでも、オラ水の中だば 入れねぇがら このふくべ沈めてけれ。それが出来たら この針千本

 水の上さ浮かべてけれ。」娘は 水の中さいる蛇に頼んだと。

「よし・よし それだばじょさね(簡単だ)ちょっと待ってれ」

そう言って 沼の底さ くぐって行って 小さい蛇をみんな集めてきたと。

 

千のふくべ沈めるとて どんなにがんばっても沈まらない。針千本も浮かばない。

ヘビはすっかり くたびれてみんな沼の底さ逃げて行ったと。娘は蛇の嫁こに ならずに済んだが

暗くなったし、道はわからないし、なんとしたらええか考えているうちに

ずっと向こうさ ぽつんと一つ明かりが見えた。 「道 迷ってしまったから、何とか一晩

泊めてもらえねんすべか。」

「ああ、泊まってええよ。実はオレはな。おめえのととに 助けてもらったことある ビッキでな

おめえを助けてやっから おれのいうことを聞けよ。わがったか」

娘は蛇の嫁っこになるよりは、ましだと思って 「ええんし(いいです)」と答えたと。

 

ばあさまは、「湯沢さ、大きい酒屋があるから、おめぇは そこで使ってもらえ。んだども、

そこまで行く途中に 人食い鬼が出るかもしれねぇ。おめえのような めんこい娘っこだば

たちまち食われてしまうから、この、うばっ皮(婆さんの皮)着ていけ」

そうゆってばあさまは、茶色のうばっ皮を渡したど。 娘は言われた通りに着てみたら

たちまちええ年した ばあさんになってしまったど。

娘は山を下って行ったら、人食い鬼が出てきたど。んだども一目見て

「なんだ!こんな年寄ばあさんを食っても、うめぐねえからやめた」そうゆってどっかさ行ったと。

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ばあさまの言う通り。湯沢に大きい酒屋があったと。娘はそこに行って「なんとか、おらどこ使って

もらえねんすか。ありったけ働ぐから」 そうゆって願ったら、そこの親方はしばらく考えていたが

「ばあさん、歳いって大変だべども、火たきぐれぇだば出来るかもな」

と言って使ってもらうことになったと。酒屋の人たちから 火たきばあさんと言われて

働いてから、何日かたった ある日酒屋の一人息子が 晩遅くにもどったら、火たき婆さんの

いる部屋だけ明かりがついていた。なんだべと 思ってそろそろと行ってみたら、若いきれいな娘が

ろうそくの火で縫物をしていた。息子はどでんして(びっくり)してしまった。

 

また次の晩にこっそり行ってみたら、やっぱり若い娘が縫物をしている。

あまり、その娘がきれいなもんで、息子はすっかり惚れて、ついには病気になってしまったと。

息子が、何日も寝たきりで起きないもんで、酒屋の親方は、あっちこっちの医者どこよばったと。

なして、病気になったか分からねぇから、薬の飲ませようもない。

親方は家の前さ 大きな立札を立てた。

「おらえの息子、得体の知れねぇ病気さ かかってしまった。助けてくれた人さ 千両箱をやる」

と書いてあった。ある行者がその立札を見て 酒屋さ入っていったと。その行者は

「立札を見れば、わけの分からねぇ病気だそうだが、いっぺん、はっけを(占い)おいてみよう。

そうすれば、病気になったわけもハッキリするだろう」と言って

八卦おいたと。そして行者は厳かに言い渡した。

 

「一人残らず、娘っ子たちを集めて、その娘っこたちに 水を汲ませて持っていかせろ。

そして息子の飲んだ水を汲んでいった 娘っ子を嫁にしろ。そうすれば、息子の病気はすぐ治る」

親方は、行者の言った通り、娘っこたちをたちをみんな集め 代わる代わる水を運ばせた。

したけど、息子はみんな首をふって断ってしまう。

「火たき婆さん、おまえじゃだめに決まってるども、まずもっていってみれ」

そう言われて、火たき婆さんは、途中でうばっ皮を脱いで ええ娘になって水運んでいったと。

   

       (無料イラストよりお借りしました)

そしたば、息子はにこっと笑って水飲んでしまった。 とたんに息子の体はシャキッとなった。

そこで、その娘が息子の嫁に決まった。嫁子は、よく働くし気がつくし、息子は、

気に入った 嫁こだから大事にして 湯沢のその酒屋は代々ずっと栄えていったど。

 とっぴんぱらりのぷう

「秋田県国語教育研究会 県学校図書館協議会編」より

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昔っこ。せつめん

2023-01-27 17:46:14 | 昔っこ・民話

先日の寒波は厳しかったですが 本日は(金曜日)穏やかで 午前中は真冬日だったようですが

気温も 0.2度位まで上がったとか。ほっとしました~(^^)

明日以降はまた 真冬日に戻るそうです。

日常と昔っこのblogですが だいぶ昔っこ・民話を ご無沙汰でした。

県の北部 鹿角(かづの)地方に伝わる民話「せつめん」を。

         昔っこ「せつめん」

昔は正月用の木綿の事を 節の木綿と言う意味で「節綿(せつめん)」といったもんだ。

そのころ、ある親方が若勢(わかぜ)使用人)の 太郎に、花輪さ行って節綿買ってけ。と言ったと。

何もわがらねぇ太郎は「せつめん せつめん」って言いながら花輪に向かった。ところが、

堰をまたいだ拍子に「おにめん・おにめん」と言い間違えてしまったと。

 

花輪について「おにめん けてくなんせ」て 店屋で言ったら、「おにめんて、鬼の面だべ」

と、鬼の面を売ってくれた。

帰りしな疲れて お堂っこで一休みしたと。あんまり寒くて炉に火を炊こうと思ったども

薪が無い。仕方ねぇ。杉の葉っぱをとってきて火をおこした。

だどもなんと、杉の葉だもの。煙がどんどと出てきて煙い、煙い。

 

そこへ、正月の木綿をたくさん背負った木綿屋が、「ああ寒ぶ、寒ぶ。あたらせてけねべが」

と、炉端にやってきた。ところが煙はどんどと出る。二人して煙が自分の方に来れば

顔をそむけてしのいでいたども、とうとう太郎はがまんできねぐなった。

煙が木綿屋の方に行った隙に鬼の面をかぶったと。木綿屋がふと、太郎の方を見ると

「鬼の面 無料」の画像検索結果

なんと!鬼がいる。「鬼だ・鬼だ」 どでんして(びっくり)叫ぶなり、逃げだした。

「なんと、この木綿なんとする」 太郎がたずねると 「なんもいらねぇ。助けてけれ~」

て 走っていってしまった。

「いらねて言うなら おらがもらっても かまわねべ」そこで、ありったけの木綿を背負って

村に戻ると、村人がたは、木綿のいっぺあるのにたまげてしまった。

親方はたいした喜んで、みんなさ その木綿を分けて、たいした楽しい正月を、迎えたと。

とっぴんぱらりのぷう。

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