昨年の正月が終わり、そろそろ仕事をせねばと思っている時、電話が鳴った。
水道局からだった。
「お宅の水道代、自動振り替え中止になっていますから請求書を送ります」
「え??どうしてですか?」
「それはこちらではわかりません。銀行から請求書が回って来ましたから、お客さんが中止手続きをなさったのでは?」
「えーーーしてませんけど」
「それはわかりません。こちらでは理由はわかりませんので、もう一度、銀行の手続きの紙を同封します。」
「えーーだって、ずっと引き落としされてたのに」
「そうですか、引き落としの書類を送ります」
「もしかして水道局の間違いってことは無いの?」
「それは、ありません」
「ありませんって・・どうしてわかるの?コンピューターだって間違えるかもしれないじゃないの?」
(ここでフフンと言うせせら笑う感じで)「そりゃないですよ。こちらは関係ありませんから、お客さんが銀行でお調べになったら如何ですか?」
その言い方が「水道局ですが・・」という時からムカついた。
でも私もふと、うちの出来の良い孝行息子が、うちの水道代を払ってやろうという神のような気持ちになったのかもしれぬと思い、とにかく銀行に電話した。
銀行の、おねえちゃんは、銀行の、おねえちゃんみたいに愛想の良い、サービス満点の声で、私は銀行が如何にあくどい商売をやっているか忘れてしまうほど、耳に心地よい声を聞かせてくれて嬉しかった。
私も銀行も潔白だった。
おねえちゃんは「新手の詐欺かもしれませんねぇ」と親身に心配してくれた。
そこで水道局に電話をかけた。
「銀行で調べたら、何もしてないそうですけれど?」
「はぁ??じゃ調べてみます」
「あのさ~あなたね、調べもしないで私に電話してきたの?」
怒り心頭に達した私は、もう少しでヤクザの女になり下がり、ベランメ調の「ボケ、カス、てめぇ~」と言いそうになった。
「こちらから電話します」
「あんたさぁ、コンピューターは間違えないって言ったんだよ」
「こちらから電話します」とだけ言って一方的に切られた。
10分もしないうちに水道局から電話があった。平身低頭の声だった。
思わず同じ人????
「こちらの入力ミスでした」
「ミスならミスでいいの。あの、いばりくさった警察が犯人に言うみたいな言い方はないんじゃないの??!!」
「すいません」
「水道局は誰の為にあると思ってるの?水道局の為にあるんじゃないよ、水道を使う人の為にあるんだよ!!」
「そのとおりです」
「コンピューターは間違えないと思ってるの?人間より機械が正しいと思ってるわけ?入力するのは人間だよ!!とにかく、せせら笑ったこと、謝ってよ!!」
「申し訳けありませんでした」
怒りが収まらず、この調子だと延々と夜まで電話口で怒っていそうだった。
これを書いてる間にも再び、あの時の怒りを思い出し、嫌な気分になってきた。
ちょっと怒りすぎたかな?っと言う自己嫌悪もチラリと・・・・(笑)
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