「ヘアスタイル」
若い女の子が10人集まれば、
そのなかで髪の長い子は9人いるというくらい、
彼女達の間では以前、長い髪の人気が根強い。
ああいう長い髪が徒党を組んでいると単に
「男をひっかける技術集団」が歩いているという感じがしていた。
個性がないということもよく言われていたが、
女の子が男の子にもてたいがために髪を伸ばすのも、
しょうがないんではなかろうか。
婆さんになったら、そんなことも出来ないし、
若いうちにやりたいことをやればいいじゃないかと思っている。
私も高校生の時に盛りがついて、
なんとか男の子がこちらをふりむいてくれないかと、
あれこれ考えをめぐらせた。
体重60キロで「おたふく」と呼ばれていた女子高生には、
なかなかきついことであった。
そこで頭に浮かんだのは、髪の毛を伸ばすということだった。
なるべく男の子に好かれる要素を、増やそうとしたのである。
ワカメを沢山食べて、、とにかく髪の毛を伸ばした。
何があっても絶対に切らなかった。
女の子の友達には「山伏みたい」などと言われたりしたが
男の子が寄ってきてくれたらいいと、それだけを考えていた。
しかし寄ってきたのは電車の中の痴漢だけで、
めぼしい男の子には相手にもされなかったのだ。
それから髪の毛を釣り竿にして、
男の子を釣ろうとするのはやめたが、
20代なかばに、ある人体実験をしたことがある。
つづく
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