また同じようなことを書きますが、大事なことは何度も書かなければならないと思います。
国は経済優先のあまり、三菱自動車やスズキの燃費不正なども、安易な審査で偽装を見抜けなかった。
だまされた消費者も無念だが、「その認可が取り返しがつかないことになる」ということでは、原発やリニア新幹線は、三菱自動車の比ではない。
たとえ国の認可を受けたといっても、人の行うこと、後々のことを思えば、明らかに間違った選択であるかもしれないのです。
リニア計画中止求め提訴 沿線住民「安全に重大な問題」
朝日新聞 2016年5月21日
2027年に東京―名古屋間で開業予定のリニア中央新幹線について、反対する沿線7都県の住民ら738人が20日、JR東海の計画を認可した国を相手取り、処分の取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こした。「乗客の安全や環境への影響に重大な問題があるのに、計画を認可したのは違法だ」と訴えている。
訴状で住民らは、JR東海による工事の環境影響評価が不十分だと指摘。水源への影響や、トンネル掘削で出る大量の土の処理、工事車両による騒音・振動などについて、十分な検討がされていないと訴えた。地震や火災の際の安全性も確保されていないと主張している。
提訴について、国土交通省は「訴状を受け取っていないためコメントは差し控える」、JR東海は「特に申し上げることはないが、当社は国交相から工事実施計画の認可を受けており、中央新幹線の建設を着実に進めていく」としている。
■「疑問に答えぬJR東海、法廷に出て」
「JR東海は住民説明会で疑問に全く答えず、情報も出さない。法廷で出してもらうしかない」。原告らは提訴後に東京都内で会見。原告団長で慶応大名誉教授の川村晃生(てるお)さん(69)は提訴の狙いを話した。
また、原発同様意識レベル100の恐怖であるリニア新幹線は、夢の乗り物ではなく、悪夢の乗り物になってしまう可能性が高い。
長年、開発に携わっている方々には、申し訳ないけれど、ほんとうに良いものであるなら、普通の人々から反対運動など起こるわけがないです。
「成田空港も住民が反対した」と比べる向きもあるかもしれませんが、同じ土俵には上がりません。
すぐには変化がなくても、最初の選択が「恐怖」であるならずっとその影響を受けてしまうのです。
東京オリンピック招致が「怒り」であったため、ずっとその影響を受け続けているように。
→「バタフライ・エフェクト」と人生の選択
密室で強力な電磁波を出しながら、9割がトンネルを走るリニアの恐怖。
トンネル工事で水脈がかわり、動植物が枯死する恐怖。
内陸直下型地震が起きた場合の恐怖。関東から九州まで列島を貫き、熊本地震でも、次々震源地となった中央構造線。リニアのルートはその中央構造線と糸魚川静岡構造線やフォッサマグナを横切っています。
工事が地震を誘発してしまう可能性だってあります。
下記のニュースの原告の方の、『環境や人間と共生できない乗り物』という言葉に尽きると思います。
作っては、いけないものです。
万が一のことが起こった時に、原発同様、誰が責任を取れるというのでしょうか。
「リニアは人格権否定」 相模原で原告会見 生活環境の保全訴え
東京新聞 2016年5月21日
リニア中央新幹線の沿線住民らが国に工事認可取り消しを求めて二十日に東京地裁で起こした訴訟には、県内からも多くの原告が参加している。中間駅が設置される相模原市内では同日、同市内の原告百十三人のうち、市民団体「リニア新幹線を考える相模原連絡会」メンバーの原告五人が記者会見し、生活環境の保全を訴えた。(寺岡秀樹、小形佳奈)
中間駅は、同市緑区のJR・京王橋本駅に設置される。原告らはこれまで沿線各地で起こりうる自然破壊や水枯れ、残土問題、同区の山あいにある鳥屋地区に車両基地が建設されることで生じる生活環境破壊などのおそれを指摘してきた。
元城山町議松本三望さん(75)は「リニアは人格権を否定するような鉄道。裁判を通じて、計画の妥当性を問うとともに、環境や人間と共生できない乗り物であるとの世論が出てくることを期待する」と話した。
車両基地は盛り土の上に東京ドーム約十個分の広さで建設され、訴状は「景観の破壊は明らか」「(工事車両の通行で)交通事故の危険性増大、排ガスなど受忍限度を超える生活環境の悪化を予想」と指摘。
鳥屋地区の農業栗原晟さん(70)は「何が大切なのか、何を守っていくべきなのか、自然や環境の大切さを国民全体に問うた訴訟と意義付ける」と語った。原告ら十一人は建設予定地に地上権を登記し、事業の中止や遅延を図るトラスト運動も開始している。
中間駅設置で、橋本駅近くの県立相原高校は移転が決まっている。同校には緑が広がり、市民に親しまれてきた。主婦桜井真理さん(60)は「相原高校の緑が失われ、市民の安心安全はかき消される。市民の犠牲の下に大きな計画が進められている」と訴えた。
◆川崎でも会見 残土問題を指摘
川崎市役所では二十日、「リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会」のメンバーが会見し、「JR東海は計画を白紙に戻して再検討を」と訴えた。
矢沢美也(よしや)共同代表(69)=麻生区=は「工事車両による大気汚染、工事の騒音などが心配」と話し、地下を掘って出る残土の行き先を決めないまま着工したことも問題だとした。会員は川崎市と東京都町田市に住む約六十人で、提訴に加わったのは半数という。
JR東海の計画では、品川-名古屋間二百八十六キロの中で川崎市内の工事区間は約十六キロ。地権者の権利が及ばない深さ四十メートル以上の大深度地下を通る。中原、宮前、麻生の三区に合わせて五カ所の立て坑が設けられ、開業後は非常口になるという。
★関連サイト
リニア新幹線の南アルプスルートは安全か(日経コンストラクション)
リニア・市民ネット
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