姉が結婚したいと言い出した。
姉には数年、お付き合いしている人がいたので それは至極当然のことに思えた。
その時わたしが思ったのは 結婚は口実ではないか。
姉もわたしと同じように
「早く家を出たい」
そう思ったのではないか。
何も言わないけれど 姉もわたしと同じように
見たくない現場に遭遇したのではないか。
思うことはあっても 何も言えない――
わたしも高校を卒業したら家を出よう。
もう少しだ。頑張ろう。
そう思う時だけ明るい気持ちになれたのだった。
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高校3年生の時に知り合った人。
それがわたしの現在の夫です――