今日の原田は、午後から大手前にある國民會館住友ビルで日本海事代理士会の研修を受けてきました。
研修の内容は、船内騒音コードの解説・海防法改正の概要・船舶設備規定の改正・プッシャー・パージに係る海事関係法令の適用などで、近畿支部と神戸支部の合同研修会でした。
私はまだ海事代理士になって8ヵ月なので理解するのが大変でしたが、非常に参考になりました。
(研修で使用した資料)
今日の原田は、午後から大手前にある國民會館住友ビルで日本海事代理士会の研修を受けてきました。
研修の内容は、船内騒音コードの解説・海防法改正の概要・船舶設備規定の改正・プッシャー・パージに係る海事関係法令の適用などで、近畿支部と神戸支部の合同研修会でした。
私はまだ海事代理士になって8ヵ月なので理解するのが大変でしたが、非常に参考になりました。
(研修で使用した資料)
海事代理士にとって、船舶法は海事代理士業務の主要業務の1つです。
船舶法は、日本船舶に対する行政的保護と取締りを目的として1889(明治32)年に施行され、日本の海事法規の中でも長い歴史のある法律で、日本船舶の国籍要件とその法的効果、船籍港、船舶登記、船舶登録、船舶国籍証書などについて規定しています。
船舶は、その航行に海上という風潮流の影響や動揺という特別な環境の危険が伴うので、国は、船舶に関する秩序を維持して、人命及び貨物の安全を図り、海洋環境を保護するため、海上を航行する船舶が守らなければならない各種の公法上の規制を行っています。 従って、船舶法は船舶に対する基本法として、海事行政上重要な意義を有しているのです。
(船舶法が適用されない船舶)
日本船舶のすべてが船舶法の適用を受けるわけではなく、以下のような船舶は適用外です。
・海上自衛隊(防衛大学校を含む)の使用する船舶は、船舶法の適用はない(自衛隊法109条)
・総トン数20トン未満の船舶及び瑞舟・ろかい舟は、船舶登記・船舶登録・船籍港・総トン数の測度申請・船舶国籍証書などの適用はない(船舶法20条)
但し、総トン数20トン未満の船舶であっても漁船法上の漁船については、総トン数1トン未満の無動力漁船を除き、船舶の総トン数の測度と船名の標示についてのみ適用がある(漁船法22条)
(船舶の登記・登録)
船舶の公示及び識別に関しては、我が国は船舶登記と船舶登録の二元制度を採用しています。 船舶登記は、船舶に関する権利変動を公示し、取引の安全を図るのが目的(私法上の目的)で、船舶の登録は、船舶の国籍を証明し、行政上の取締り及び管理に資するのが目的(公法上の目的)です。
船舶法の適用を受ける総トン数20トン以上の日本船舶の所有者は、原則としてその住所地に船籍港を定め、その船籍港を管轄する地方運輸局に総トン数の測度を申請し、さらに船籍港を管轄する登記所に登記の申請をした後、地方運輸局に登録の申請をして船舶国籍証書を受有しなければ、船舶を航行の用に供することができません(船舶法4条~6条)。 そして交付された船舶国籍証書は、船内に備え置くことが義務づけられています(船員法18条)。
※船舶国籍証書とは、その船舶が日本国籍を有すること及び船舶の個性又は同一性を証明する公文書で、総トン数20トン以上の日本船舶にのみ交付されます。
(小型船舶の登録について)
小型船舶の登録測度事務に関しては、小型船舶の登録等に関する法律(小型船舶登録法)に規定されています。 すなわち、小型船舶の登録等の手続きは、小型船舶登録法に基づき、国に代わって日本小型船舶検査機構(JCI)が行います(小型船舶登録法21条)。
総トン数20トン未満かつ長さ3m以上で漁船に該当しない小型船舶は、小型船舶検査機構に登録し、船舶番号を船体に表示しなければ航行することができません。
※小型船舶登録法が適用される小型船舶には、任意の申請により国籍証明書が交付されます(小型船舶登録法25条)。
昨日は海事代理士について説明しましたが、今日は海事代理士の業務内容について詳しく書きたいと思います。
海事代理士は以下のような業務を行います。
〇船舶に関する業務
船舶の登記・登録、検査、トン数測度などの申請手続き及びその書類の作成
〇船員及び船員の資格、船員の派遣事業に関する業務
海技免許、小型船舶操縦免許の取得・更新・再交付、就業規則の届出、船員手帳の交付や届出、乗組員の雇入届出、船員派遣事業の手続きなど
〇海上運送、内航運送に関する業務
航路許可・内航海運業の登録・運賃・料金、運航管理規定の届出など
〇港湾運送事業に関する業務
事業許可・運賃・料金の届出、運送約款の認可など
〇造船に関する業務
建造許可・登録など
〇海洋汚染等及び海上災害の防止に関する業務
危険物船・廃棄物船の検査など
〇その他の海上交通に関する業務
入出港届出、工事・作業等の許可申請、国債保安管理者の届出、船舶保安規定の承認申請など
〇上記業務に関連する業務
小型船舶に関する検査・登録、漁船に関する建造許可・登録・漁業許可、小型漁船に関する検査・建造許可、遊漁船業に関する登録・届 出、貨物利用運送事業の登録・届出
※海事代理士は、委託を受けた業務を誠実・敏速に処理することが義務付けられています(海事代理士法第18条)
(海事代理士パンフレット) (海事代理士倫理要綱)
私は行政書士だけでなく海事代理士業務も行っているんですが、海事代理士というのは一体どういう業務をするのか分からない人も多いと思います。
そこで今日と明日の2回にわたって海事代理士のことやその業務について説明します。
海事代理士は、海事代理士法に基づき他人の依頼によって、船舶登記や船舶の登録、検査申請、船員に関する労務、その他海事許認可など、海事に関する行政機関への申請や届出その他の手続き及びこれらの手続きに関し書類の作成を代理・代行することを業としておこなう我が国唯一の海事法令の国家資格者です。
この業にはパソコン等を利用して電子的方式で書類を作成し手続き(電子申請)する場合も含みます。
そして海事代理士になるには、国家試験である海事代理士試験(筆記試験と口述試験)に合格し、各地方運輸局に登録することが必要です。
船舶の建造から廃船まで、海事法律には様々な申請手続きが規定されています。その船舶はどの用途で使用されるか、総トン数は20トン以上か20トン未満の船舶か、外航船か内航船か、旅客輸送か貨物輸送か、船員が所持する海技免状又は操縦免許証の種類は何か、その海技免状又は操縦免許証の取得時期・更新年月日はいつか、また船舶の売買等による所有権変更の場合にも様々な申請手続きが必要となります。これらの手続きはその内容によって申請先も変わってきますし、申請・添付書類も多岐にわたるので、申請者自身でこれらの手続きをするのはけっこう大変です。そこで申請者本人に代わって国土交通省や都道府県等の行政機関へ申請する書類の作成から申請手続きまでを代理で行うのが海事代理士です。
この海事代理士という資格は、1951(昭和26)年6月1日に施行された海事代理士法により創設された資格で、「海の司法書士」「海の行政書士」と呼ばれることことも多いです。
今日、海事代理士は日本全国に1200名程いますが、対外的に氏名、事務所所在地等が公表されているのは、社団法人日本海事代理士会に所属する335名の海事代理士です。
次回は海事代理士の業務内容について、もっと具体的に書きたいと思います。